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税金の意義や役割とメリット・デメリット

記事作成日:2018年11月9日

税金の意義や役割と、納税者の立場から見た場合の税金のメリットとデメリットについてです。税金は国や地方自治体が公共サービスや公共施設を提供するための財源になるという意義・役割があります。税金のメリットは、税金があることで豊かな生活を送るために必要な公的サービス等が提供されるようになるということで、デメリットは納税者の金銭的な負担になるということです。

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税金の意義

人間は1人1人では生きていくことが難しいため、国という社会を形成して生活をしています。より細かい視点で言えば、日本では都道府県、市区町村という地方自治体を形成して暮らしています。国や地方自治体が国民(国に住んでいる人)や住民(国の中の特定の地方自治体に住んでいる人)にとって必要な公共サービスや公共施設を提供するためには、活動するための人や資金が必要となります。

国や地方自治体が活動するために、住んでいる人から税金という形でお金を集め、公務員を雇い、公共サービスや公共施設を提供して、住んでいる人が暮らしやすくするのです。国や地方自治体が提供する公共サービスや公共施設には、利益の追求に向かない、巨額の資金が必要になるなど、民間では提供が難しい警察、消防、司法、教育、社会保障などがあります。

税金は、国や地域に住む国民・住民が安全で豊かな生活を送るために必要なものなのです。

税金の役割

税金には、国民や住民に公共サービスや公共施設を提供するための財源になるという役割(財源調達機能)があります。国や地方自治体が活動するためのお金を集めるという、本体の税金の役割です。

財源調達機能に加えて、税金にはお金がある人から多く税金を取り、お金がない人に手厚く支援を行うことで、行き過ぎた格差の是正、社会保障を提供する役割(所得再分配機能)があります。相続税は世代を超えて格差が固定すること、社会における階層の固定化を防ぐ役割があります。

更に、所得が多いほど税金が多くなり、所得が少ないほど税金が少なくなるという税金の累進課税の仕組みは、景気が良い時は税収が増え、景気が悪い時は税収が減る効果をもたらします。また、景気が悪い時に予算の執行を増やし、景気が良い時に使い過ぎた埋め合わせをすることで、景気の振幅を抑えることができます。税金には経済を安定化させる役割(経済安定化機能)もあるのです。

税金のメリット

税金の最大のメリットは、税金を財源として安全で豊かな生活を送るための公共サービス(社会保障含む)や公共施設が提供されるということが挙げられます。また、税金は格差の是正や景気の安定化にも役立ちます。

公共サービスや公共施設が提供される豊かなな暮らしができる

税金があることによって、国や地方自治体は、警察、消防、司法、教育、防衛、外交、公衆衛生、産業振興、環境保護、ごみ収集、ルール(法律や条例など)制定、防災などの公共サービスや、道路、港、公園、水道、ごみ処理施設、学校、図書館、博物館、公民館などの公共施設を提供できるようになります。

公共サービスや公共施設があることによって、国民や住民は安全に毎日を暮らすことができますし、豊かで文化的な生活を送ることができるようになります。毎日当たり前のように接しているサービスや施設は税金によって提供・運営されているのです。

社会保障が提供されることで安全な生活が送れる

税金があることによって社会保障が提供されるようになります。社会保障は公共サービスと位置付けることも可能ですが、安全・安心な生活を送るために特別に重要なことなので、特別のメリットと位置付けて説明しています。

人生を送る上では、病気、けが、自然災害、事故、失業、貧困など様々な経済的なリスク、身体に関するリスクなどがあり、偶然によって、突然困難な状況に追い込まれてしまうこと上がります。

誰も手を差し伸べることがなければ、厳しい状況のまま人生を送らなければいけなくなりますが、社会保険(健康保険、国民年金、雇用保険など)や社会福祉(高齢者福祉、障碍者福祉、児童福祉など)、生活保護などの社会保障制度が充実していることによって、救いの手が差し伸べられ、健康で文化的な最低限度の生活が送れるようになるのです。

累進課税で資本主義の課題である格差是正が行われる

税金はお金に余裕がある人からより多く税金を集め、お金に余裕がない人からはあまり税金を集めないという累進課税の仕組みがあります。お金がある人から税金をたくさん集めて、公共サービスや公共施設を提供したり、社会保障を提供したりすることで、事実上お金がある人からお金がない人に支援を行っていることになります。

資本主義社会では、資本がある人は効率的に経済活動を行うことができるため、ますます富を集めることになり、資本を持たない人は富を集めるのが難しく、格差が生じるという課題があります。

税金の仕組みによって、お金がある人からお金がない人に「富」の一部を移転することで、格差拡大を防ぎ、格差を縮小させることにつながります(所得再分配、富の平準化)。

また、相続税によって格差が世代間で固定されることを防ぐことができます。税金で教育サービスを提供することによって、誰もが高等教育を受けることができるようになり、職業の選択肢を広げることができます。社会保障が提供されることで、困窮してもやり直すことができるようになります。

景気の変動を抑制し経済を安定化させる効果がある

所得税や法人税などは、お金をより稼ぐと税金が多くなり、あまりお金を稼げないと税金が少なくなる仕組みになっています。そのため、景気が良くお金を稼ぎやすい時は税金が多くなりますが、景気が悪くお金を稼ぎづらい時は税金が少なくなるため、景気が悪いと金の税負担は軽減され、所得税や法人税には景気の変動を緩和する効果があります。また、税金による社会保障でも失業した人にお金を支援するような仕組みがあるため、景気の変動を緩和します。

このような税金を含めた財政制度に備わっている自動的に景気を安定させる仕組みを景気の自動安定装置(ビルトインスタビライザー)といいます。

更に景気が悪い時に財政出動を拡大して景気対策を行い、景気が良い時に多くなる税収で穴埋めを行うような財政政策を講じると、景気変動を抑制することが可能となります。具体的には景気が悪い時に国債を発行し景気が良い時に返済する、景気が良い時の財政黒字を景気が悪い時に活用するといったことが考えられます。

税金のデメリット

税金の最大デメリットは、税金を納める人にとって金銭的な負担になるということです。

納税者にとって金銭的な負担になる

公共サービスや公共施設を利用する時には金銭的な負担を求められないか、極僅かの手数料で利用できることも多いですが、提供・運用には多額のお金が必要になります。公共サービスや公共施設を支えるためには多額のお金が必要になるため、税を沢山収めることが必要になります。

国や地方自治体に求められる役割が増せば増すほど、多額のお金が必要になるため、税金をたくさん集めなければいけなくなります。そのため、充実した公共サービスを求めるため高い税金の負担を受け入れる(高負担高福祉)か、公共サービスは必要最低限にして税金の負担を低くする(低負担低福祉)か、あるいは中間的な役割を求める(中負担中福祉)かということが政策的な議論となります。

税金の制度が複雑になり理解が難しくなる

税金の制度は、複雑になってしまって専門家でないと理解できなくなってしまうようなことがあります。社会的に恵まれず厳しい境遇に置かれている人の税金を少なくする、政策的に支援が必要な人や組織の税金を少なくする、など経済的・社会的な効果を狙って、控除などの税制度を構築することから、税金が複雑になってしまう傾向があるのです。

税金の制度が複雑になり過ぎてしまって、自分がどんな税金を支払えばいいのかわからない、自分では税金の計算や書類の作成、手続きができない、自分に有利になる控除などの仕組みに気が付かない、などの問題が生じることがあります。

細かく国民や住民に配慮しようとすればするほど細かい税制度の設計が必要となるため、分かりづらくなってしまうのです。税の原則の1つに「簡素の原則」と呼ばれる、税制は複雑ではなくで分かりやすいものしようという考え方がありますが、実態はそうなっていないというのが現状です。

税金が無駄・非効率に使われることがある

税金を少しの無駄ものなく、効率的に使うことができれば理想的なのですが、人間が予算を執行するためどうしても完璧に、とはなりません。

例えば、情報の取得が不十分で必要がないことに税金を使ってしまったり、割高な方法で税金を使ってしまったり、手続きの遅れから必要な時期を逃して使ってしまったり、誤解に基づいて不必要な税金を使ってしまったりすることもあります。また、予算を執行する組織が非効率な運営となってしまい、人件費や庁費などを無駄にしてしまうこともあります。

そのため、税金が効率的に使われているか、国や地方自治体が政策評価など自分でチェックする体制を作る必要があるほか、国民や住民が監視していかなければいけないのです。

税金が特定の者の利益のため不正に使われることがある

国や地方自治体には多額の税金が集められることになります。そして、税金が執行をするために各部署に割り当てられた段階でも数百万、数千万、数億円という個人から見れば多額の金額となるため、自分や親しい関係者のために不正に使おうと考える人が出てきてしまいます。

税金は国や地方自治体に暮らす人すべての人に役立つように使われるべきであるのに、特定の人や団体が利益を得るために使われてしまうことがあるのです。

やはり、税金がみんなのために使われているか、国や地方自治体が自分自身や第三者がチェックする体制を作るとともに、国民や住民が監視しなければいけないのです。

特定の人にとって不当に負担が重くなってしまうことがある

税金には、「公平の原則」と呼ばれる特定の人に不公平な負担がかからないようにするという考え方があります。同じような経済力を持っている人には同じような負担を負ってもらうという「水平的な公平」、お金を持っている人には負担を重く、お金を持っていない人には負担を軽くという「垂直的な公平」、世代の間で税金を巡って有利不利が生じないような「世代間の公平」が求められるのです。

しかし、実際の社会は複雑できめ細かな税制を設計することはとても難しいこと、税制が複雑になり過ぎて予期せぬ不公平ができてしまうこと、政策立案の課程で目先のことに囚われ過ぎてしまい世代間の公平が考慮されない場合があること、などから特定の人が不当に税金の負担が重くなってしまうことがあるのです。

税制の仕組みによっては経済活動に有利不利が生じてしまう

税金には「中立の原則」という、経済活動に歪みをもたらしてはいけないという考え方があります。例えば、特定の商品や業界だけに不当に高い税金をかけたり、政策的な範疇を超えて特定の経済活動を極端に優遇するような税制をつくったり、するようなことが該当します。

税金は政策手段の1つであって、税制では控除などの仕組みを使って、特定の活動を優遇して促進するということが一般的に行われますが、政策的に妥当な範囲を超えて、税制による優遇が行き過ぎてしまうと、経済活動における有利不利が生じて、国民や住民の経済活動が歪められてしまうことがあります。

程度の問題ではありますが、税制によってなかなか納得が難しいような経済活動上の有利不利が生じてしまうことがあるのです。

まとめ

  • 税金の意義は、国家や地方自治体が活動する財源となり、国民や住民が豊かな生活を送るために必要なサービスなどが提供されるようになるということです。税金の役割には、国家などの財源となる役割、格差を緩和する役割、景気を安定化させる役割があります。
  • 税金のメリットは、税金を財源に公共サービスや公共施設が提供されるようになるということなどがあります。税金のデメリットは、納税者にとって金銭的な負担になることなどがあります。

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【税金の意義や役割とメリット・デメリットの記事は終わりです】

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