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年末調整の仕組みと年末調整を受けられる人

記事作成日:2016年3月29日

会社などに勤めている人が行うことができる年末調整についてです。年末調整を受けられるのは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していて、年末まで勤務している人で、給与総額が2,000万円を超えない人です。会社などに勤めているサラリーマンの人は年末調整を行えば所得税・住民税の手続きは基本的に終わりですが、医療費控除や寄付金控除など年末調整では適用を受けることができない所得控除や税額控除がある場合には年末調整をしていても確定申告を行った方が良い場合があります。また、年末調整を行っても、確定申告の義務がある場合もあります。

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年末調整とは

年末調整とは、1月から12月までの間の1年間に源泉徴収した所得税と復興特別所得税の金額の合計額と、12月になって1年間の給与が確定してから計算した所得税と復興特別所得税の金額の差額のずれを調整する手続きです。

会社などに勤めているサラリーマンの人は毎年11月から12月頃に会社などで行われる年末調整で所得税の金額が確定し納税もしたことになるので、翌年に確定申告を行う必要はありません。サラリーマンは通常の場合、確定申告を意識する必要がなく、会社での手続きをしっかりとしておけば良いのです。また、年末調整の内容は税務署が各市区町村に通知して、住民税の算出が行われるので住民税の手続きも特別行う必要が無く、完了してしまうのです。

給料・賞与の支払い時に源泉徴収される所得税

会社などで働いているサラリーマンの人は、毎月給料の支払いを受ける時や賞与を受け取る時に、所得税と復興特別所得税が差し引かれています(源泉徴収)。この所得税等の金額は支払われる給料・賞与の額から大体このくらいの金額になるだろうということで計算されたもので正確なものではありません。

所得税は1年間の給与が確定すると正確に計算できる

正確な所得税と復興特別所得税の金額はあくまで1年間に支払われた給与によって決まってくるので、1年間に支払われる給与が全て確定してから計算する必要があります。

源泉徴収した税額と正確に計算した税額はずれる

毎月差し引いた仮の所得税等の金額の合計額と、1年間の給与が確定してから計算した所得税等の金額はずれてくるので差額を調整する必要があります。もし源泉徴収した税額が本来の税額よりも多ければ会社がサラリーマンに差額を還付して、源泉徴収した税額が本来の税額よりも少なければ会社がサラリーマンから差額を徴収します。

年末調整ではほとんどの所得控除が適用できる

年末調整では、14ある所得控除のうち社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除の11の所得控除の適用をうけることができます。

年末調整では住宅ローン控除も適用できる

年末調整では、税額控除のうち、2回目以降の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けることができます。ただし、最初に受託ローン控除の適用を受ける場合には、確定申告を行う必要がありますので注意しましょう。

年末調整を受けられる人

年末調整を受けられるのは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出して年末まで勤務している人です。ただし、確定した1年間の給与の総額が2,000万円を超えている人と災害減免法によって所得税と復興特別所得税の源泉徴収の徴収猶予や還付を受けた人は対象外です。

また、年の途中であってももう働く可能性がないのも同然で1年間の給与が確定したのと同じような状態の人は年の中途での年末調整を行うことがあります。

  • 「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した人
  • 年末まで勤務している人
  • 給与総額が2,000万円を超えない人
  • 災害減免法の適用を受けていない人

給与所得者の扶養控除等申告書を提出した人

年末調整を受けるための条件の1つが「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出することです。「給与所得者の扶養控除等申告書」とは、給与をもらっている人の扶養状況を申告する書類で、配偶者控除や扶養控除や、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除などの適用を受けるために必要な書類です。

年末まで勤務した人

年末調整は1年間に支払われた給与を基に所得税と復興特別所得税の金額を計算するものなので年末まで勤務している人が対象になります。1月から12月まで勤務した人だけでなく、年の途中から勤務をした人、例えば10月から12月まで勤務した人も対象になります。ただし、年の途中で退職した人は対象になりません。例えば1月から11月まで勤務した人は対象外です。

2つ以上の会社などから給与を受けている場合はどうなる?

掛け持ちで働いている場合

2か所以上から給与をもらっている場合は注意が必要です。いわゆる掛け持ちのような場合で、同時にA社とB社で働くような場合です。この場合、2つ以上の会社から給与の支払いを受けることになりますが、「給与所得者の扶養控除等申告書」は同時に2つ以上の会社などに出すことができません。

主となる勤務先に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出し、そうでない勤務先には「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しないことになります。この場合、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した会社などからもらう給与を主たる給与、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しなかった会社などからもらう給与を従たる給与といいます。

この場合、主たる給与をもらっている会社などでは年末調整をできますが、従たる給与をもらっている会社などでは年末調整ができません。そのため、年末調整を1つの会社ですることはできますが、基本的に確定申告が必要になります。

年の途中で退職して別の会社に再就職した場合

年の途中で会社を退職して別の会社に再就職した場合は、掛け持ちはしておらず、同時に2つ以上の会社などで働いているわけではないので年末まで働いた会社などで年末調整が可能です。

退職した前の会社で「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していた場合には、前の会社の給与と現在の会社の給与を合わせて年末調整を行うことができます。ただし、前の会社で支払いを受けた給与と源泉徴収税額を現在の会社で確認した上で年末調整を行う必要があるので、前の会社でもらった給与の分について源泉徴収票をもらい、現在の会社に提出することになります。

年の途中に退職しても年末調整する場合

年末調整は基本的には1年間の給与の支払金額が確定する年末に行うものですが、年の途中であっても日本国内で給与の支払いがもう行われる可能性が無く1年間の給与の支払金額が年の途中で確定したのと同じと考えられる場合には年の中途でも年末調整を行うことができます。次のような場合が該当します。

  • 日本国外に海外転勤になった人
  • 死亡して退職した人
  • 心身の障害で退職して再就職する見込みがない人
  • 12月の給与をもらって年末までに退職した人
  • パートの人が退職して再就職し給与を受け取る見込みがなく、給与総額が103万円以下の人

年末調整で所得控除や税額控除の適用を受けられなかったら

年末調整で適用できる所得控除や税額控除について、何らかの理由で適用できなかった場合には、確定申告で適用を受けられるので心配をする必要がありません。

例えば、会社内での年末調整の手続きの期限までに必要な書類が入手できなかった、期限後に書類が届いた、書類を紛失して再発行してもらっていたら時間がかかったといったような場合でも、確定申告を行えば所得控除ができようできます。

年末調整をしても確定申告が必要な場合やした方がいい場合

年末調整をしていても確定申告の義務がある場合や、所得控除などを受けて税金の負担を軽くするために確定申告をした方が良い場合があります。

医療費控除は確定申告が必要

医療費を多く支払った場合に税金の負担が軽くなる医療費控除の制度は年末調整では適用を受けることができないので、翌年の確定申告を忘れずに行う必要があります。

病気やけがで通院や入院が長引いた時や、大きな手術を行った時、妊娠・出産をした時などは医療費が多くなりやすいので医療費控除の対象となる可能性があります。

寄付金控除は確定申告が必要

国や地方公共団体、特定公益増進法人などに寄付を行った場合には所得控除を受けることができますが、寄付金控除は年末調整で適用を受けることができないので、翌年の確定申告を忘れずに行う必要があります。

特に注意が必要なのはふるさと納税です。ふるさと納税は地方公共団体に対する寄付金ということなので、寄付金控除を受けることができますが、年末調整の対象外のため確定申告を忘れてしまうと損をしてしまうことがあります。一定の寄付金は税額控除の適用を受けられる場合もあります。

雑損控除は確定申告が必要

災害や盗難などによって資産に損害を受けた場合には雑損控除の適用を受けることができますが、雑損控除は年末調整で適用を受けることができないので、翌年の確定申告を行わないといけません。申告をする人の損害だけでなく、生計を同じにしている配偶者や親族の人で所得が少ない人(総所得金額等が38万円以下)の損害についても含めることができます。

初回の住宅ローン控除やその他の税額控除も確定申告が必要

最初の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)や配当控除、外国税額控除、政党等寄付金特別控除、認定NPO法人等寄付金特別控除、公益社団法人等寄附金特別控除などは年末調整では適用を受けることができないため、確定申告を行う必要があります。

給与・退職金以外の所得の合計が20万円を超える人

給与所得と退職所得以外の所得の金額の合計が20万円を超える人(つまり20万円以下は対象外)は確定申告を行う必要があります。サラリーマンの場合には年末調整を行えば、基本的には所得税の確定申告を行ったのと同じ扱いを受けるのですが、給与や退職金以外の所得が多い場合には、確定申告をしなければいけないということです。

給与や退職金以外の所得が少ない場合は年末調整だけで良く、確定申告を行う義務はないということになります。ただし、医療費控除などがあって確定申告を行うと税金の還付を受けることができる場合には、確定申告を行ってはいけないわけではないので、是非確定申告をしておきましょう。

2か所以上から同時に給与を受けている場合

2か所以上から同時に給与の支払いを受けている場合には、「給与所得者の扶養控除等申告書」を1か所にしか出せないため「給与所得者の扶養控除等申告書」を出していない会社などの給与について確定申告をする必要があります。

ただし、「給与所得者の扶養控除等申告書」を出していない会社などの給与の収入金額と給与所得・退職所得以外の所得の金額の合計が20万円を超えない場合(20万円以下の場合)には確定申告の義務はありません。

少額の場合には敢えて確定申告をする義務を課さないということですが、「給与所得者の扶養控除等申告書」を出さない場合、源泉徴収額が多めに算出されるため、確定申告をすると税金の還付が受けられる場合があります。確定申告の義務が無くても、確定申告をしても良いので還付がある場合には確定申告をしましょう。

給与収入から一定の所得控除を引くと150万円以下の場合

2か所以上から給与をもらっていて全ての給与について源泉徴収をされていて、給与の合計額から基礎控除以外の年末調整で適用できる所得控除(雑損控除、医療費控除、寄付金控除以外)を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得と退職所得以外の所得の金額の合計が20万円以下の場合には確定申告の必要がないとされています。

同族会社の役員などで同族会社から利子や賃貸料を受け取っている場合

同族会社の役員などで同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人は、その金額が20万円以下であっても確定申告が必要となります。

住民税には20万円以下の定めがない

年末調整をした人が、副業などで20万円以下の所得があった場合でも確定申告をする必要はなく(同族会社からの利子等の場合を除く)20万円以下の所得の部分は所得税について非課税ということになります。なお、自主的に確定申告を行う場合には、20万円以下の所得を含めて所得税を計算する必要があります。

ただし、住民税については年末調整をしていれば副業などの20万円以下の所得は申告しなくていいというような定めがないため、副業などで20万円以下の所得があった場合で、年末調整を実施していても確定申告をしていなければ、住民税の申告書を提出する必要があります。

確定申告をしていれば住民税の申告を兼ねるため、住民税の申告書を別途提出する必要はありません。この場合、副業などによる20万円以下の所得について所得税は非課税の扱いになりますが、住民税は課税されることになりますので気を付けましょう。

まとめ

  • 年末調整を受けられるのは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していて、年末まで勤務している人で、給与総額が2,000万円を超えない人です。
  • 医療費控除や寄付金控除など年末調整では適用を受けることができない所得控除や税額控除がある場合には年末調整をしていても確定申告を行った方が良い場合があります。

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【年末調整の仕組みと年末調整を受けられる人の記事は終わりです】

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