通信費の節約:通信費の基本
記事作成日:2015年4月12日
最終更新日:2015年6月9日
ここで扱う通信費とは、固定電話代、携帯電話代、インターネット接続料金、テレビ受信料金を指しています。通信費については、どういう組み合わせにすると節約になるかという問題と固定電話、携帯電話、インターネット、テレビの契約でそれぞれどうすると節約になるかという問題があります。まずは、どういう組み合わせを選んだらいいかということについて説明します。なぜテレビが入っているか、についてはケーブルテレビを通じてインターネット接続を行うことがあるためです。
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固定電話、携帯電話やネットの組み合わせ方
昔は家の電話(音声通話)は固定電話、データ通信は光ファイバーやADSL、ケーブルテレビ(CATV)によるインターネット接続、外出先の電話(音声通話)とデータ通信は携帯電話というようなイメージでした。固定電話、携帯電話、インターネット接続のサービスは特に関係が強かったわけではなかったので、それぞれで安いものを選んでいけば節約することが可能でした。
自宅 | 音声通話 | 固定電話 |
---|---|---|
データ通信 | インターネット接続 | |
外出先 | 音声通話 | 携帯電話 |
データ通信 |
固定電話、携帯電話、ネットの選択肢が多様化
固定電話、携帯電話、インターネット接続、テレビでは近年、サービスの選択肢が増えて、節約チャンスが広がっています。
固定電話ではIP電話(0ABJ番号)が普及
現在では、自宅の電話(音声通話)はFTTH(光ファイバー)を利用したIP電話(0ABJ-IP電話)の登場で選択肢が増えました。
従来は、固定電話と言えば銅線による電話網を利用したNTT加入電話が一般的で、代替するサービスは直収電話と呼ばれるNTT以外の固定電話サービスがありましたが、光ファイバー網が整備されると従来のNTT加入電話の代替となり価格も大幅に安い0ABJ-IP電話、いわゆるひかり電話などと呼ばれるサービスが登場し、自宅の通話方法とインターネット接続方法を連動して考える必要が出てきました。
また、0ABJ-IP電話から品質は劣り、警察や消防などへの緊急通報ができませんが、050の番号から始まるIP電話も利用できるようになりました。また、家族や親しい友人の間ではSkypeに代表されるような無料のIP電話サービスを使って通話する場合もあります。
さらに、携帯電話があるため固定電話を契約しないという選択もあります。
携帯電話ではMVNO(格安SIM)やWiMAXが登場
携帯電話では、携帯電話などの移動体通信網を保有して通信サービスを提供しているMNO(移動体通信事業者)から、通信網を借りて通信サービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)による通信サービスが普及したことから選択肢が広がっています。いわゆる格安SIMなどと呼ばれているものです。
携帯電話は、かつては一部の例外を除いて音声通話とパケット通信のセットで契約していました。しかし、MVNO、いわゆる格安SIMと呼ばれるサービスが登場してからは、音声通話用の携帯電話(スマートフォン)とデータ通信用のスマートフォンを2台持ちするという形も増えており、携帯電話の中でも「音声通話」と「データ通信」が必ずしもセットでなくなる場合も出てきました。
携帯電話の通話部分については、データ通信を利用した050番号を用いるIP電話やアプリによる無料のIP電話も利用が増えています。
また、携帯電話のデータ通話部分をWiMAXで行うという場合もあります。
WiMAXとは?
WiMAXとは無線通信の規格の1つで、通信に必要な電波が届いていれば自宅でも外出先でも、インターネットへの接続が可能です。WiMAXは端末が届けばすぐに使えること、無線通信を行うので工事や配線が不要なこと、高速であることが主な特徴です。
WiMAXに似た言葉でWiFiがあります。WiFiは無線LANの規格の1つです。LANとはローカル・エリア・ネットワークのことで、通常は一定の限られた範囲の中でのコンピューターや通信機器の間でデータをやりとりするネットワークのことを指します。以前はケーブルでコンピューター同士をつないでました。これが有線LANです。ケーブルではなく、無線通信でデータがやり取りできるようになったものが無線LANです。
WiMAXは限られたエリアではなく、広い範囲で使用することができます。WiMAXの端末からWiFiによる無線通信を行うことも可能なため、WiMAXがあれば、固定インターネット回線の代わりに、外出先では携帯電話(スマートフォン)のデータ通信の代わりに使用することができます。
インターネットでは、FTTH(光ファイバー)が普及
インターネットでは、一時期はアナログ回線を用いながら高速のインターネット通信ができるADSLに勢いがありましたが、現在ではFTTH(光ファイバーによる通信サービス)が主流となっています。
また、WiMAXを自宅でのデータ通信に用いる場合もあります。 かつでは自宅のインターネット接続と外出時のデータ通信はノートパソコン向けの定額制通信サービスなど一部例外を除いて全くの別物でしたが、BWAサービス、いわゆるWiMAXが普及したことで、自宅と外出時のネット接続をまとめて一本化することができるようになりました。これは通常、スマートフォン向けデータ通信サービスは通信量に制限がありますが、WiMAXの通信制限は他のスマートフォン向けデータ通信サービスよりもかなり緩いためです。
その他、CATVによるインターネット接続があります。最近では高速なCATVによるインターネット接続が人気があるようです。
テレビではフレッツ・テレビが登場
テレビでは、最低限の地上デジタル放送を見る手段としては、まずアンテナを設置する方法が基本です。地上デジタル放送化により従来のアナログ放送ではテレビが視聴できなかった場合でもテレビが視聴可能となる場合があります。また、従来からあるCATVのほかに、光ファイバーを用いたフレッツ・テレビなどのサービスが登場して選択肢が増えています。
固定電話、携帯電話、インターネット等の選択肢のまとめ
固定電話、携帯電話、インターネット接続、テレビ(地上デジタル放送)の主なサービスの選択肢をまとめると以下のようになります。
自宅 | 音声通話 | NTT加入電話 直収電話(おとくライン) IP電話(0ABJ) IP電話(050) IP電話(その他) 携帯電話で代替 |
---|---|---|
データ通信 | FTTH(光ファイバー) CATV ADSL WiMAX | |
外出先 | 音声通話 | NTTドコモ au ソフトバンク Y!モバイル MVNO(格安SIM) IP電話(050) |
データ通信 | NTTドコモ au ソフトバンク Y!モバイル WiMAX MVNO(格安SIM) | |
テレビ | アンテナ設置 CATV フレッツTV |
平均的な通信料
総務省統計局の「家計調査」によると2014年の1世帯当たりの1年間の固定電話通信料は27,536円となっています。1か月では2,295円となります。1年間の携帯電話通信料は86,239円、1か月では7,187円となります。1年間のインターネット接続料は21,254円、1か月のインターネット接続料は1,771円となっています。1年間のケーブルテレビ受信料は9,623円、1か月では802円となりますが、ケーブルテレビでは利用していない世帯の影響が相当あるため低くなっていると思われます。
以上の4つを通信費とすると、1年では144,652円、1か月では12,054円となります。
固定電話 | 2,295円 |
---|---|
携帯電話 | 7,187円 |
インターネット接続 | 1,771円 |
ケーブルテレビ受信料 | 802円 |
通信費合計 | 12,054円 |
(出典)総務省統計局「家計調査」を加工して作成。
通信費の中では携帯電話料金が最も高くなっています。そのため、通信費の節約では携帯電話料金をいかに節約するかが重要となります。また、インターネット接続料金は2番目の固定電話に続く3番目に高い項目ですが、光ファイバー接続をしていると3,000円以上となる場合もあります。そのため、携帯電話と並んで重要な節約ポイントになります。