固定電話代の節約:IP電話で節約
記事作成日:2015年4月23日
最終更新日:2015年6月12日
固定電話代の節約方法のうち、固定電話を従来型の固定電話からIP電話に切り替える方法について説明しています。IP電話では東京の03や大阪の06、名古屋の052などいわゆる0ABJ番号か050から始まる050番号がありますが、0ABJ番号と050番号の違いについても知っておくとIP電話を検討する時に役に立ちます。
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0AB-J番号と050番号の違い
IP電話には「0AB-J番号」、「050番号」、「その他のIP電話」があります。このうち、「その他のIP電話」はアプリを利用して特定の人同士で通話を行うものですので、今までのNTT東西の加入電話と同じような使い方が考えられる「0AB-J番号」と「050番号」の違いについて整理します。
番号種類 | 0AB-J番号 | 050番号 |
---|---|---|
電話番号 | 03、06などの番号 | 050から始まる番号 |
主な回線環境 | 光ファイバー ケーブルテレビ | 光ファイバー ケーブルテレビ ADSL |
通話品質 | 高い | 0AB-Jより低い |
加入電話からの移行 | 同じ番号で可能な場合も | 050番号に変わる |
住所変更時の番号 | 通常変わる | 変更なし |
無料通話 | 一部通話であり | 一部通話であり |
緊急通報 | できる | できない |
一番重要なのは110番や119番など緊急通報が可能かどうかという点です。050番号のIP電話を導入する場合、緊急時に110番や119番へ通報できるよう別の通信手段を確保しておくことが必要です。
固定電話をIP電話に切り替えるためには
NTT東西の加入電話などを「0AB-J番号」や「050番号」のIP電話に切り替えるためには高速のインターネット回線が必要です。特に、「0AB-J番号」では光ファイバー(FTTH)か高速のケーブルテレビ回線(CATV)によるインターネット接続が必要となります。また、「050番号」の場合は光ファイバー(FTTH)かケーブルテレビ回線(CATV)、ADSLによるインターネット接続環境が必要です。
0AB-J番号のIP電話の提供事業者
総務省が公表している資料によると、2014年末時点では「0AB-J番号」によるIP電話を提供している事業者はNTT東日本、NTT西日本、KDDIで9割超を占めています。ただし、現在光ファイバーによるIP電話は競争環境が変化しているので今後このシェアが大きく変わる可能性もあります。
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成26年度第3四半期(12月末))」
0AB-J番号によるIP電話は、NTT東日本やNTT日本では「ひかり電話」、KDDIでは光ファイバーを利用したものは「auひかり電話」、ケーブルテレビ回線を利用したものは「ケーブルプラス電話」として提供されています。また、ケーブルテレビのJ:COMで提供されている「J:COM PHONE プラス」は「ケーブルプラス電話」と同じようなサービスです。
050番号のIP電話の提供事業者
総務省が公表している資料によると、2014年末時点では「050番号」によるIP電話を提供している事業者はNTTコミュニケーションズ、ソフトバンク、フュージョン・コミュニケーションズ、KDDIで9割超を占めています。
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成26年度第3四半期(12月末))」
NTTコミュニケーションズ「050 plus」、フュージョン・コミュニケーションズでは「IP-PHONE SMART」というサービスが中心と思われますが、これらはスマートフォン向けのサービスとなっています。NTTコミュニケーションズでは「OCNドットフォン300」というサービスは固定電話のサービスとなっています。また、ソフトバンクでは「BBフォン」、KDDIでは「050番号サービス(KDDI-IP電話)」というサービスが提供されています。
IP電話に切り替えて節約
自分のインターネット環境に応じてIP電話を活用して節約しましょう。
光ファイバーなら0ABJのIP電話に
節約度:★★★
光ファイバー回線や高速のケーブルテレビ回線など0ABJ番号のIP電話が利用できるインターネット環境がある場合には、NTT東西の加入電話はIP電話に切り替えて節約することができます。0ABJ番号のIP電話は、従来のNTT東西の加入電話と全く同じではありませんが、ほぼ同じような感覚で利用することができるはずです。光ファイバー回線の利用料金はそれなりに高額となる場合が多いはずなので、固定電話の料金はぜひ節約しておきましょう!
050のIP電話はどう活用すべきか
節約度:★
光ファイバー回線や高速のケーブルテレビ回線などではなくて0ABJ番号のIP電話が利用できない場合、固定電話を050番号のIP電話に切り替えることで節約できる場合があります。主にADSLの回線が想定されます。この場合、050番号では緊急通報ができないため、NTT東西の加入電話などの電話回線がない場合、携帯電話で緊急通報ができないといけません。また、追加料金を支払って、敢えて緊急通報に制約がある050番号にするならば、固定電話を持たないという選択肢も考えられます。050番号が何かしらのサービスとセットで追加料金が発生しない場合は問題ないかもしれません。
また、通話を多くしている場合で、050番号を導入することで通話相手との通話料が無料になるなど、基本料金の部分以外で通話料が安くなるなどのメリットがある場合は導入を検討すべきと考えられます。ただし、050番号以外にも無料の通話手段が増えている現在では、050番号のIP電話が活用できる場面は限られていると思います。
050番号のIP電話はスマートフォンの通話料を抑える目的で利用されている場合が多いかと考えられます。例えば、データ通信だけの格安SIMを利用したスマートフォンでも050番号を導入すれば、データ通信の契約だけのスマートフォンでありながら通話も可能という使い方ができるからです。
IP電話の注意点
IP電話の不正利用に注意
2015年6月12日にIP電話などの不正利用に関して総務省から「第三者によるIP電話等の不正利用に関する注意喚起」という発表がされています。
IP電話が第三者に不正に国際電話などに利用され高額の請求がされてしまうという問題が発生しています。インタネットに接続しているPBX(企業内で内線通話ができるようにしたり外線との通話を接続する機械)のソフトウェアやハードウエアの設定の問題、セキュリティの脆弱性を悪用したなりすましや乗っ取りが発生しているとのことです。
インターネットを利用した電話であるため不正利用の問題は従来の電話回線よりは意識を高める必要があるということに注意しておく必要があります。とりあえず確認しておくべきセキュリティの対策としてはまとめると次のようなものがあります。
IP電話のセキュリティ対策
- ソフトウェアの設定を確認して外部から接続できるようになっていないか確認し、不要な外部接続の設定はしない。
- パスワードの設定をしている場合、誰にでも推測されるようなパスワードにはしない。
- 使用しているソフトウェアは最新のものにバージョンアップする。
- アクセスログが利用できる場合はチェックをして不審なアクセスを早期に発見する。
- 利用料金はこまめにチェックし利用状況と請求金額がずれていないか確認する。
- 電話業者の設定あるいは機器やソフトウェアの設定で国際通話の発信が制限できる場合は制限する。
0AB-J番号と050番号の利用者数
総務省の資料から0AB-J番号のIP電話と050番号のIP電話の利用者数を比較すると、0AB-J番号のIP電話は固定電話の代替として大きく伸びていますが、050番号はこのところ勢いがありません。050番号を上手に活用できる場面が限られているためだと考えられます。
(出典)総務省「IP電話利用数」