住宅ローンが低金利でも割高な住宅を購入すると損をする
記事作成日:2016年8月24日
日本では大規模な金融緩和によって住宅ローン金利がかなり低い水準まで低下しているので、住宅購入には絶好のチャンスが到来していると言えます。しかし、住宅ローンが低金利だからお得に買えるとは限らず、割高な住宅を購入してしまうと、いくら住宅ローン金利が低くてもお得な買い物をしたとは言えなくなってしまいます。
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住宅ローン金利が低ければお得に住宅を購入できる
同じ価格の物件を購入するのであれば、住宅ローン金利が低ければ低いほど金利の負担が少なくなり、お得に住宅を購入することができます。住宅ローンの金利が低い方が住宅をお得に購入できるように思えます。住宅ローン金利が下がっている時期は住宅購入のチャンスと言えます。
また、住宅を既に購入していても借り換えをすることで住宅ローン金利を下げることができ、利息負担を減らすことができます。
住宅購入がお得かどうかは住宅ローンと物件価格で決まる
しかし、住宅購入がお得かどうかは住宅ローン金利が高いか低いかだけで決まるわけではありません。住宅ローン金利がいくら低くても住宅の物件価格が割高になってしまうと、お得な買い物とは言えなくなってしまいます。住宅購入で得をしたか損をしたかは、住宅ローンの金利水準と物件価格両方が大事なのです。
住宅価格には割高な時期や地域がある
住宅価格は新築でも中古でも、割高になっている時期や割高になっている地域があります。また、新築と中古の間でも相対的に割高になったり割安になったりします。新築物件が高くなりすぎると中古物件の人気が高まりますし、新築物件が安くなるとせっかくなら新築がいいとなり中古物件が売れなくなることがあります。
住宅価格の決まり方
新築の場合には、市場での需要の動向によっても価格は左右されますが、どちらかというと日本では販売側(供給側)の都合で価格が決まる傾向があり、住宅の価格は土地の価格と建物の建築価格と関係する業者の利益で決まります。中古の場合には、市場の需給バランスによって価格が決まる傾向があり、住宅の価格は市場で物件を売りたい人の多さと買いたい人の多さによって左右されます。
土地の価格
土地の価格は、不動産取引が活発になれば上がりやすく、取引が低迷すれば下がりやすくなります。土地価格は地域によっても大きく異なっていて、アジアなどの海外投資家からの投資資金の流入が期待できる地域や人口の流入が続いている地域では上昇しやすいですが、人口流出が続く地方では下落しやすくなっています。
マンションの場合には、建設に向く土地の取得が難しくなっている地域があり、マンション建設に向く広さの土地の供給が少ない地域では価格が高騰しやすい傾向があります。
建物の価格
建物の建築価格は建設資材の価格や建設作業員の人件費の動向によって左右されます。建築資材の価格は、住宅建設に限らず、商業施設の建設や公共事業が活発で需要が強くなると上がりやすくなるほか、円安による輸入品の価格上昇によって上昇することがあります。
建設作業員の人件費は、公共事業などが活発化すると業界全体で人手不足に陥り、人手が確保しづらくなり人件費が上昇することがあります。
業者の利益
業者の利益は住宅を購入する人が多く需要が強い時期には強気の価格設定となりやすく、住宅を購入する人が少なく需要が弱い時期には値引きしてでも売ろうとするため弱気の価格設定になりやすいです。マンションが売れないと言われる時期には数百万円の値引きも珍しくなく、利益を削ってでもとにかく売ってしまおうという状況になりやすいと言えます。
不動産の購入の場合には、開発業者や建設業者、販売業者などが介在しますが、ブランド力がある業者、大手の業者が介在すると値段が高くなりやすい傾向があります。また、関係する業者が多い場合も値段が高くなりやすい傾向があります。
実は住宅ローン金利は借り換えで後から下げられる
住宅ローン金利が低く住宅が割安な時期に住宅を購入することができるのが一番理想なのですが、金利と価格の両方の条件が揃う良いタイミングばかりとは限りません。
近年では金融緩和が続いているため、住宅ローン金利が低い状態で買えることが多いのですが、住宅ローンは借り換えをすることができるので、金利を後から下げることも不可能ではありません。
金利よりも良い住宅に巡り合えるかが重要
住宅ローン金利が低い時期は間違いなく住宅購入のチャンスであると言えます。しかし、金利が低くても自分が望む条件の住宅に出会えなければ意味がありませんし、割高な住宅を焦って買ってしまってはもったいないです。
金利の動きも大事ですが、住宅そのものの魅力や、割安感なども重視して住宅探しをした方が納得感の高い買い物ができるようになります。
まとめ
- 住宅ローン金利が低い時期は住宅購入のチャンスですが、物件価格が割高な場合にはお得な買い物とは言えなくなってしまいます。
- 住宅ローン金利だけではなく、物件そのものの魅力や割安感にも注目して住宅探しをすると満足いく家選びができる可能性が高まります。