新築住宅と中古住宅の違いやメリットとデメリットを比較
記事作成日:2015年12月10日
新築住宅と中古住宅を比較した場合、価格面のメリットに目が行きがちですが、中古住宅の最も大きなメリットは立地や入居時期の選択肢が多いということです。新築の場合、分譲マンションや分譲戸建ては希望する地域で販売がほとんどない可能性がありますし、立地も良くない場合があります。また、入居時期もかなり先になってしまう場合があります。
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新築住宅(新築マンション、新築戸建)のメリット
新しい
新築の最も大きなメリットは全てが新しく、誰もまだ済んだことがない家であるということです。心理的に、新しい物しか受け付けられないという人もいるため、そのような人には新築は大きなメリットになります。ただし、中古でも全てリフォームしてしまえば、新築と変わらない状態にすることはできます。
最新の法令や基準に基づいて建築されている
新築の場合は、最新の法令や基準を守るように作られているため、安心感があります。特に問題となるのは耐震基準で、昔の物件の場合には古い耐震基準に基づいて立てられている場合があり、耐震性に劣る場合があります。
新しい技術・設備が導入されている
新築の場合には新しい技術や設備が導入されていることがあります。ディスポーザーやビルトインの食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーター、太陽光発電装置、モニター付きインターホン、浴室乾燥機、セキュリティシステムなど最新の技術・設備が導入されていることがあります。
コミュニティがゼロから始まる
マンションや大規模な戸建て分譲地の場合、新築ならばそれまでの人のつながりがないため、付き合いがゼロから始まります。例外的に地主などの地権者が住む場合もありますが、基本的にはお互いに知らない人同士です。変なしがらみがない分、付き合いやすい場合もあるようです。
注文の場合は自由に設計できる
新築で注文住宅を建築する場合には、間取りや設備、材質などを全て自由に注文することができます。自分好みの家を一から作れるのはとても魅力的です。ただし、中古住宅をフルリフォームしても似たような効果が得られます。
購入手続きが楽な場合も
新築戸建てで注文をするような場合でなければ、新築住宅、特にマンションの場合、購入手続きが楽であると考えられます。販売業者が手続きを丁寧に案内してくれますし、銀行も紹介してくれます。画一的かつ迅速に購入者を手続きを進めていくので、変なわずらわしさがないと言えます。
物件情報を詳しく知ることができる
新築の場合は、通常販売業者が詳しい販売用資料を用意するため、物件の詳細な情報を詳しく知ることができます。また、質問をしても詳しい答えが返ってくる場合が多いです。また、手続きや税金などの面についても詳細な説明を受けられる場合が多いです。
保証やアフターフォローが充実している
新築住宅の場合は、基本的に保証やアフターフォローがかなり充実しています。半年後、1年後などといった節目ごとに不具合はないですかと丁寧な確認をしてくれる場合も多いです。
新築住宅(新築マンション、新築戸建)のデメリット
価格が高い
新築住宅の一番のデメリットは価格が高くなりやすいことです。新築物件の場合には、開発業者や建設業者、販売業者などが多数入り込んでいて、販売価格に多額の利益が上乗せされている場合があります。また、マンションの場合にはモデルルームやCMなどの販売のための費用が上乗せされていてやはり価格が高くなることがあります。
モデルルームで青田買いになることも
新築マンションの場合、商談の時期によっては、全く建築が始まっておらず、モデルルームを見ただけで購入を決断してしまう場合があります。しかし、モデルルームはかなり良く見えるような様々な工夫が凝らされており、実際の部屋と大きなギャップがある場合があります。また、実際の部屋でないと分からないこともあります。
良い立地はすでに埋まっている
分譲マンションか分譲戸建てを選ぶ場合には、既に良い立地には何らかの建物が立っているため、再開発など特殊な事情がない限り良い立地の物件が出てこないため、立地が良くない場合があります。
入居時期に制約がある
新築物件の場合、完成するまで入居することができません。既に完成済みの物件を買う場合にはそれほど問題がありませんが、新築マンションの場合には完成まで1年以上かかってしまう場合もあります。希望する物件があっても、入居時期が自由に選べるわけではないため、入居するまでの間不便な生活を強いられる場合があります。
中古住宅(中古マンション、中古戸建)のメリット
価格が安い
一般的に本体価格については、中古住宅は新築住宅よりもかなり安くなります。年数が経過しているためその分価値が下がっているということや、新築の場合には開発業者や販売業者の利益が多く乗っていることなどがあります。もちろん中古でも仲介業者への仲介手数料が負担になるので諸経費は新築の場合よりも高くなるのですが、本体と諸経費全体で考えると、やはり中古物件の方が安くなります。
立地の選択肢が多い
中古の大きなメリットの1つに立地の選択肢が多いということがあります。マンションを例にすると、新築マンションの場合は建設するための立地が必要ですが、良い立地はすでに埋まっているため、再開発や既存の建物の取り壊しなどでないと良い立地が出てこない場合があります。しかし、中古であれば、売主が現れればどのマンションでも購入対象になります。
入居時期の選択肢が多い
新築マンションは入居ができる時期が1年先といったような場合も珍しくなく、引っ越しの時期に制約があります。中古の場合は売主との交渉次第の面はありますが、比較的入居時期を自由に考えることができます。仮に入居時期が合わなければ、類似する物件を近隣で選ぶこともできます。
現況を確認できる
中古物件の場合にはマンションでも戸建てでも現在の状況を確認することができます。もちろん隠れた不具合を発見するのは困難ですが、建築されてから年数経っても目立った問題が生じていないなら重大な欠陥がある可能性は低くなります。ただし、耐震性だけは別で、詳細な検査をするか、実際に地震が来ないと不具合が分からないことも多いです。
自由にリフォームできる
中古物件の場合は価格が安いことがあって大規模なリフォームを行っても新築を購入した場合より安くなることがあります。リフォームによって自分好みの住宅にすることができます。ただし、マンションの場合にはリフォームにある程度制約があります。
中古住宅(中古マンション、中古戸建)のデメリット
汚れ・傷、経年変化がある
新しくてきれいな住まいを丁寧に使っていたとしてもどうしても多少の汚れや傷、経年変化が出てきます。丁寧に使っていない場合には汚れや傷が目立つ場合もあります。戸建ての場合には、水回りで腐食が進んでいる場合があるほか、シロアリによる被害がある場合もあります。また、マンションの場合でも風通しが悪い部屋では壁紙などにカビが発生している場合があります。
設備が旧式で老朽化している
建物の躯体は年数が経過しても特に問題がない場合が多いですが、住宅の設備は旧式で時代遅れになっていたり、老朽化していて交換が必要だったりします。中古の場合は設備はどうしても新築よりは劣ってしまうことがありますが、設備だけの問題であればリフォームや交換によってほとんど解決するので、お金をかけることができるならあまり問題にはなりません。
大規模な修繕が必要な場合も
マンションの場合でも戸建ての場合でも、ある程度年数が経過すると大規模な修繕を行った方が良い場合が出てきます。大規模な修繕を行う場合には、工事の期間も必要ですし、お金もかかってしまいます。
コミュニティが出来上がっている
中古物件の場合は、住んでいる人のコミュニティが既に出来上がっていて居心地が悪いと感じる場合があります。しかし、近年では都市圏を中心にあまり関わりがないという場合もあるので、それほど気にしなくて済む場合も多いです。
入居している年齢層が違う
マンションや大規模分譲地の場合、最初に分譲された時点で子育て世代の人が入居しても、10年、20年たつと子育てを終える世代になります。子育て世代の人が中古で物件を探して入居すると、近隣に同世代の人がほとんど住んでいないということが起きる可能性があります。
住宅ローンの返済期間が短い場合も
中古住宅の場合には、住宅ローンを借りる場合、新築の時よりも短い返済期間でないと借りられない場合があります。中古住宅の場合には建築されてから年数が経過しているため、銀行は担保にとってもすぐに価値がなくなると評価してしまうのです。あと20年もすれば担保としての価値がほとんどなくなると判断されたら返済期間は20年でないと融資しないと言われる場合があります。また、中古住宅の場合には、そもそも担保価値が低いため、融資金額が少なくなってしまう可能性もあります。
トラブルが潜んでいる場合がある
中古住宅を購入する場合には、売却理由に注意する必要があります。本当の事は言ってもらえないかもしれませんが、必ず売却理由は確認するようにしましょう。周辺にトラブルを起こす人がいて逃げ出したいと考えているのかもしれませんし、住むのには不便・不快な何らかの事情があるかもしれません。
購入の交渉が面倒
中古住宅の場合は、間に仲介業者が入るのが基本ですが、売買価格や入居時期の交渉などは売主との間で詰めていかなければいけないため、面倒であると感じる場合があります。
物件の保証が充実していない
中古住宅の場合には新築住宅の場合ほどアフターフォローが充実していない場合が多いです。購入した住宅に不具合が見つかった場合にどこまで保証してもらえるのかあらかじめ詳細に確認しておく必要があります。
物件情報が少ない
中古住宅の場合は、仲介業者が間に入りますが、個人対個人の取引で詳しい説明資料が準備されることはほとんどありません。購入時の資料がほとんどない場合もあり、詳しいことが分からないまま、現況だけを見て購入を判断しなければいけないことも多いです。
まとめ
- 新築住宅と中古住宅の大きな違いの1つは価格です。新築は高い一方、中古は安くなります。
- 一方で中古は物件の立地の選択や入居時期の選択の幅が広いという特徴があります。