住宅は購入と賃貸どっちがいい?
記事作成日:2015年5月14日
最終更新日:2015年9月19日
購入と賃貸はどちらが得なのかと言う問題はよく聞く話です。購入と賃貸のメリット、デメリットについてまとめました。ずっと同じ場所に住むのであれば、基本的には賃貸サービスで他の人が介在しないよう購入して住んだ方が安くなります。賃貸では住むための費用の中に大家さんへの利益が含まれるからその分高くなるためです。しかし、引っ越しがあるとどちらが良いとは言いづらくなります。人生は先が簡単に想定できるものではなく不確実性があるため、購入と賃貸は結局それほど大きくは変わらないということになってしまいます。
スポンサーリンク
住宅は購入と賃貸はどっちがいい?の結論
いきなり結論です。引っ越さず他の条件がすべて同じなら基本は購入が有利、ただし、引っ越しは予想できず、人の生き方次第でどっちが良いかは変わるため、後から振り返らないと分からないと言うことになります。特に引っ越しの有無がカギです。
転居をしない前提で他の条件が同じなら購入が有利
立地、構造、建材、設備などすべての条件が同じなら、理屈では購入が有利です。なぜなら自分のものになるならないという話以前に、賃貸は貸主が間に挟まりますが、公営を除く貸主は通常利益を追い求めます。家を使うために必要なコストの他に、貸主の利益も家賃として払うため、賃貸が不利になります。
転居があるなら賃貸が有利となる場合も
ただし、人生同じところにすみ続けるわけではないことから、賃貸の優位性が出てきます。特に年齢が若いうちに一生引越ししないなんて断言できないでしょう。
購入では賃貸と同じようには引っ越しを自由にできません。不動産取引にかかる費用を考慮すると、売却活動の費用など様々な費用も含めて考えると、引っ越しをするために必要なお金は通常賃貸よりも購入の方が高くなります。
さらに売却金額で住宅ローンの残債を完済できない場合はそもそも売却が困難となる場合もあります。そのため、引っ越しをたくさんするライフスタイルでは賃貸の方がよいということになるでしょう。
住宅の質は同負担なら購入の方が良い場合が多い
住宅の設備の質などは通常同じような負担であれば、賃貸よりも設備の質が高い場合が多いです。特に賃貸では賃貸住宅を取得するために使ったお金を賃料で回収する必要があるため、あらかじめコストをなるべく抑えることが資金回収では重要になります。
単純に住宅ローンの返済額や管理費などの合計額と家賃や共益費の合計額を比べても住環境を考慮しないと割高か、割安かは分かりません。また、住まいの設備などに全くこだわりがなければ、設備が良くても価値をあまり感じないかもしれません。
住居にどれだけこだわるかということも、価格を高いと感じるか、安いと感じるかに大きな影響を与えます。
賃貸と購入のメリット、デメリット
賃貸と購入のメリット、デメリットをまとめると次のようになります。
区分 | メリット | デメリット |
---|---|---|
購入 | 資産として残る ローン完済後負担が減る 住宅の質が高い 老後の住まいになる 団体信用生命保険の安心 自由にリフォームできる | 購入費用が必要 引っ越しづらい 住宅ローンを負担する 返済不能で住宅を失う 選び直しがしづらい |
賃貸 | 引っ越ししやすい 必要なお金が少ない 選び直しやすい 住宅ローンが不要 借りる費用は安い | 家賃を払い続ける 高齢で借りにくくなる 住宅の質が低い リフォームがしづらい 広い部屋は見つけづらい |
総負担
賃貸は貸主が間に挟まるため、他の条件がすべて同じなら総負担は賃貸の方が通常多くなります。ただし、引っ越しという要素が加わると比較は難しくなります。また、住宅の建物の構造や設備の質にどれくらいの価値を見出すのかで割安感、割高感に違いが出ます。
引っ越しのしやすさ
購入の場合、住宅ローンがあると売却金額で完済できないと引っ越しが難しいです。買い替えなら次の住宅ローンで残債分も融資が受けられる場合がありますが、住宅ローンのリスクが高まります。賃貸なら比較的自由に引っ越せます。
選び直しやすさ
購入の場合、物件の選択を誤っても容易には引っ越せません。そのため、選択を誤るといろんな意味でダメージが大きいです。一方賃貸は引っ越しやすいので、気に入らなければ引っ越すことができます。
建物の構造、設備の質など
通常、購入の方が賃貸よりも建物の構造や設備の質などは高いです。
賃貸の方がコストを削減するため質が抑えられる傾向があるためです。質を上げて賃料が高くなると価格競争力が落ちること、時間が経過すると設備の魅力は薄れることが多く借主が何回も交代することを想定すると、貸主が設備にお金をかけることのメリットが小さくなりやすいことが背景にあるのではないかと思います。
購入では貸主が挟まらないことの分費用が浮くこと、購入者が費用を負担するので売主は購入者のニーズに応じて質の高いものから低いものまで販売可能であること、通常購入の場合は購入者が賃貸以上の質を求めることなどから質が高まりやすいと考えられます。
住宅ローン
購入の場合、住宅ローンを負担します。借入全期間が固定金利であれば返済額は想定しやすいですが、一部が変動するなら金利情勢の影響を受けます。
住宅ローンが返済不能となると通常住宅を失います。
家賃
購入の場合、家賃負担はありません。そのため、住宅ローンを完済すると費用負担は大幅に減ります。一方、賃貸の場合は家賃を支払い続けなければなりません。もちろん、更新料等の負担も発生します。
購入費用、賃貸費用
購入の場合、買う時点から一定の費用負担が必要です。賃貸でも、礼金や敷金、仲介手数料などが必要ですが、購入ほどは多くありません。
団体信用生命保険
住宅ローンの借り入れを行う時は多くの場合団体信用生命保険に加入します。団体信用生命保険に加入していれば、借主に万が一のことがあってなくなった場合でも、団体信用生命保険から住宅ローンの残額分の保険金が支払われるため、残された遺族は住宅ローンの負担がない住宅を手に入れることができます。これは遺族年金や通常の生命保険と同様に強力な遺族の生活保障の役割を果たします。これは賃貸にはない強みです。
リフォーム等のしやすさ
賃貸は他人の家なので、多くの場合、リフォームに限らず、家に手を加えることは自由にはできません。購入では戸建てかマンションかによっても異なりますが、リフォーム等はある程度自由にできます。
老後の住みか
購入の場合は自分の家なので、マンションの取り壊しや建て替えなどの場合を除いて継続して居住できます。老後も済むことができます。一方賃貸では高齢者の入居を望まない大家も少なくないため入居の選択肢が狭まる傾向があるようです。ただし、今後高齢者が日本で増えることを考えると高齢者向け賃貸は増えていく可能性があります。
資産としての価値
購入の場合、資産を手に入れることになります。住宅ローン返済中は抵当権がつくため自由な処分は難しいですが、住宅ローンを完済すれば資産だけが残ります。ただし、高額でない戸建てでは土地の立地が良い分けではない場合が多いこと、マンションでは土地の持ち分が少ないことから、思ったよりも資産価値が残らないことも多いです。また、今後日本の人口が減っていくことを考えると、住宅の資産価値は下落のリスクも高いと考えられます。
ファミリー向けの部屋
購入の場合、広さには選択肢がありますが、賃貸の場合ファミリー向けの部屋は高額となりやすく選択肢も狭まります。条件にこだわるとかなり見つけづらくなる場合もあります。
保証人
購入の場合、住宅ローン借入時に保証会社の保証を受ける必要があります。賃貸では、通常保証人が必要です。ただし、保証会社も利用可能です。
修繕費・リフォーム費用
購入の場合、修繕費・リフォーム費用を負担します。ただし自分の裁量も大きいため、どこまでやるかは多少選択の幅があります。一方、賃貸では直接的には修繕費やリフォームは退去時などを除いて負担しませんが、修繕やリフォームに必要なお金は賃料などで通常考慮されるため、実質的にはある程度負担していると考えられます。ただし、購入よりは住宅の質は低いため、コストは抑えられていることが多いです。マンション購入の場合は修繕費が相当高額になるリスクもあります。
固定資産税
購入の場合、固定資産税を負担しますが、賃貸では直接負担しません。しかし、賃貸でも賃料などを通じて実質的に固定資産税を負担するため、大きな違いはありません。