買替えで売却と購入の同時決済が不要な場合
記事作成日:2015年6月21日
最終更新日:2015年9月19日
基本的には住宅の買い替えで住宅ローンを利用する場合には、売却と購入は同時に決済を行うことが原則となります。売却する物件の住宅ローンが残っている状態で返済比率を計算して審査を行うと、融資実行の条件に当てはまらなくなるためです。しかし、同時決済をしなくてもいい場合があります。
- 住宅ローンを借りない場合
- 売却物件の住宅ローンを完済している場合
- 普通に2重の住宅ローンの融資が可能な場合
- 未売却でも購入の融資を実行してくれる場合
- 購入から売却までの間つなぎ融資を受ける場合
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住宅ローンを借りない場合
当たり前ですが、住宅ローンを借りずに現金で買うことができる場合は当然ですが同時決済は不要です。
売却物件の住宅ローンを完済している場合
また、売却物件の住宅ローンの返済が既に終わっている場合には、新たな住宅ローンを組む時に売却物件の残菜が問題とならないので、同時決済の必要はありません。
普通に2重の住宅ローンの融資が可能な場合
売却する物件の住宅ローンの返済が進んでいて、残債が少額となっている場合は、新たに住宅ローンを借りて2重の住宅ローンの融資を受けている状態になっても返済比率内に収まり審査が可決する場合があります。その場合には同時決済を無理して行う必要はありません。
ただし、新たに借りる金融機関に事情を説明しておいて問題がないということを確認しておく必要があります。また、売却する物件の住宅ローンを借りている金融機関にも事情を説明して2重ローンになることが問題ないか確認しておくと確実です。住宅ローンは自分が住む物件に融資されるのが原則なので、先に購入を行い引っ越してしまうと本人が住んでいないことになるためです。住宅ローンが低金利なことを悪用して賃貸に転用してしまうような事例もあるため、金融機関によっては住んでいない物件の住宅ローンを嫌がる場合があるためです。
他にも同時決済が不要な場合があります
これまでに説明した場合が通常の場合です。しかしこれらの方法以外にも、更に例外があります。売却物件のローンが残っている場合でも金融機関が購入物件の融資を行ってくれる場合と、購入物件の融資をしてくれる金融機関以外から一時的につなぎ融資を受ける場合があります。これらの方法はかなり例外的な方法になります。
未売却でも購入の融資を実行してくれる場合
あまり一般的な事例ではありませんが、金融機関によっては売却する物件が売れていない状態で住宅ローンが残っていても購入する物件の融資を売却損などの見込み分も含めて融資を実行してくれる場合があります。これは普通に2重の住宅ローンを組もうとすると返済比率が合わず否決されてしまうような場合でも、実行してくれる場合があるということです。
確実に売却するという説明が必要
ただし、買い替えローンは同時決済が原則なので通常よりも厳しく審査されることになります。つまり、購入した後に売却が行われなければ2重ローンが継続してしまうため、確実に売却することを説明しなければなりません。
既に買い手が見つかっていて売買契約が終わっているが引渡しが先で決済タイミングが遅いというだけならば売買契約書を示すことになります。買い手が見つかっていない場合には売却活動中であるだけでは足りず、不動産仲介会社などが行っている買い取り保証について説明をすることになります。
異例なので金融機関や担当者次第
なお、かなり異例な処理なので、金融機関や担当者次第という面があります。社内稟議で無理して通してくれる担当者かどうか、金融機関側も柔軟な融資を行うかどうかということが重要になります。大量に画一的な処理を行う傾向がある金融機関では謝絶される可能性が高いです。また、金融機関自体は柔軟な融資形態を行っているのに、担当者がよく分かっていない、無理して稟議を通したくないなどの理由から対応をしてもらえない場合もあります。
購入から売却までの間つなぎ融資を受ける場合
一部の不動産仲介会社が金融機関と提携して取り扱っている場合がありますが、購入の決済時点で売却の決済までの間、購入物件のつなぎの融資を実行してくれる場合があります。売却の決済時点でつなぎ融資から本来購入する物件の住宅ローンに借り換えを行うことになります。つなぎ融資にも当然ですが金利が発生します。
購入時点で売却物件の買い手が決まっていて決済が先になってしまう場合か、不動産仲介会社が買い取ることを保証している場合に利用できます。この場合もやはり確実に売るということが条件になってきます。
まとめ
- 住宅ローンを利用して住宅の買い替えを行う場合には同時決済が原則です。
- しかし、売却物件の住宅ローンを完済している場合や、返済が進んでいて普通に2重の住宅ローンを受けられる場合には同時決済をしなくても良い場合があります。
- さらに金融機関によっては売却が先でも購入の融資を実行してくれる場合があります。また、つなぎ融資を行う金融機関もあります。