無料の商品やサービスも間接的に費用を負担する場合がある
記事作成日:2016年6月22日
世の中には無料で提供されている商品やサービスがありますが、本当に無料で誰からも費用を取らないのであれば、ボランティアとなってしまい、事業として成り立つことはありません。そのため、どこかでお金を得る仕組みがあります。無料で提供されている商品やサービスの費用はどこから出ているのかを考えることは重要です。一見無料に見えても、間接的に負担しているような場合もあります。
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無料での商品やサービスの提供は本来不可能
当たり前ですが、事業活動では商品やサービスを無料で提供することは不可能です。コストが発生することを無料で提供していると赤字になってしまうからです。金銭での対価を求めないボランティアや、税金という収入源がある行政などでない民間の事業では、純粋に無料で何かを提供することはできないのです。
そのため、商品やサービスの提供が無料で行われていても、他に収入を得る仕組みが作られています。そして、無料で提供されている商品やサービスの費用は間接的に、無料で提供を受けている人が負担していることもあるのです。
無料の商品・サービスがお金を回収して元を取る仕組み
試食や試供品で商品やサービスを販売する
普通に販売すると味や性能・効果などが分からないために手に取ってもらえないものを試食や試供品として無料で提供して、良さを知ってもらい商品やサービスを販売する方法があります。当然ですが、試食や試供品の費用は本来の商品やサービスの販売で賄われることになります。
他の商品やサービスの販売で元を取る
無料や格安の商品・サービスを提供する代わりに、他の商品やサービスの販売で元を取っている場合があります。例えばスーパーのお水は容器代は必要となりますが、容器があれば無料で水がもらえます。格安の特売品なども同様で、来店してもらうきっかけとして目玉となる商品やサービスを用意し、他の商品やサービスの売上でカバーします。
いわゆるツーステップ・マーケティングと呼ばれるものも同様で、フロントエンドと呼ばれる安くて目玉となる商品でお客さんを呼び、バックエンドと呼ばれる本来販売したい商品を売るという方法があります。
契約料が無料・格安
継続的なサービスの提供を受ける時に、本来は高額な契約手数料を無料する代わりに、継続して提供するサービスからの収入で元を取る場合があります。例えば、住まいを借りる際に、初期費用である礼金を割り引く代わりに、その分が家賃に上乗せされているというような感じです。
相談が無料
お金や法律など専門的な相談は無料ということがあります。これは正式な依頼を受けるための下準備である場合のほか、他から費用が出ている場合があります。
法律相談は住民サービスの一環として自治体などが費用を支援している場合があるため無料となっていることがあります。ただし、間接的に税金という形で費用を負担していることになります。
マンションのモデルルームではファイナンシャルプランナーの人に住宅購入をした場合の将来の家計のシミュレーションなどをしてもらえますが、当然気持ち良く住宅を買ってもらうための仕組みです。住宅会社がファイナンシャルプランナーの人にお金を支払っている場合がありますが、最終的に住宅販売から回収されることになります。
仲介サービスの手数料が無料
売り手と買い手など2人の当事者の間をつなぐ仲介サービスの手数料が無料となる場合があります。例えば、買い手と売り手の間に入った不動産売買で仲介業者が買い手からは手数料をもらわず、売り手だけから手数料をもらう場合があります。買い手の負担を減らして不動産仲介の促進を狙うものです。不動産の仲介手数料は上限が定められているために、売り手に際限ない負担が求められるわけではありませんが、売り手が手数料分も見越して売買価格を設定することも考えられます。
転職エージェントは企業と求職者をつなぐ役割を果たしますが、求職者は無料で転職エージェントのサービスを受けることができる場合がほとんどです。これは企業から成功報酬を得ているからですが、その分が求職者の給料に回らなることがなくなると考えると分かりやすいかもしれません。
無料や格安で提供されている商品やサービスは仕組みを考える
ボランティアや行政ではない民間の企業などが提供している無料の商品やサービスは必ずお金を回収する仕組みがあるということを意識するようにしましょう。
無料の先に有料の商品やサービスがあるはずで、無料の先にある有料の商品やサービスを利用している場合には、無料で提供されている商品やサービスの費用が上乗せされている可能性に注意しましょう。
まとめ
- 世の中には無料の商品やサービスがたくさんありますが、本当に無料であれば事業を続けられないので、何かでお金を得る仕組みが作られています。
- 無料の商品やサービスはなぜ無料なのか、どうやってお金を得ているのかを考えて、無料の先にある有料の商品やサービスの価値を見極めることが重要です。