ポイント還元と現金値引きの違いと注意点
記事作成日:2016年2月3日
最終更新日:2017年7月6日
ポイント還元と現金値引きの違いやポイント還元の注意点について説明しています。ポイント還元と現金値引きでは、ポイントの還元率と現金での値引率が同じならば、現金値引きの方が有利になります。ポイント還元は、実質的な割引率が低くなる、特定のお店でしか使えない、発行企業の破綻リスクがある、お金に変えられないなど不利な部分があります。
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同率の値引き率・還元率ならポイント還元の割引率が低い
10%の現金値引きと、10%のポイント還元では、実質的な割引率は現金値引きの方が大きくなります。
1,000円の商品を購入する場合10%の現金値引きなら1,000円×10%=100円の値引きとなります。実質的な割引率は100円÷1,000円=10%となります。
一方でポイント値引きの場合、1円=1ポイントとすると、1,000円の買い物で1,000円×10%=100ポイントが貯まります。1000円払って100ポイントを得ていますが、これは1,000円+100ポイント=1,100円となり、1,100円の商品を1,000円で買い100円分の割引を受けたのと同じことになります。実質的な割引率は100÷1,100≒9.09%となります。
ポイントは次の買い物でポイントを使って初めて割引になるから
なぜ同じ値引率・還元率なのに実質的な割引率が変わってしまうのかというと、現金値引きは現金購入時に値引きを受けることができますが、ポイントは次の買い物でポイントを使って初めて値引きになります。そして値引き分にはポイントがつかないのでその分割引率が下がります。
仮に1,000円の買い物で100%還元の場合を考えると、現金値引きなら1回目の買い物で1,000円値引されそれで終わりです。でも、ポイントの場合は一度1,000円を支払い、1,000ポイントの還元を受け、次の買い物で1,000ポイントを使って初めて値引になりますが、2,000円分の買い物を1,000円でしていることになるのです。
現金値引きとポイント還元の実質的割引率の比較
値引率・還元率 | ポイント還元 | 現金値引き |
---|---|---|
1% | 0.99% | 1.00% |
2% | 1.96% | 2.00% |
3% | 2.91% | 3.00% |
4% | 3.85% | 4.00% |
5% | 4.76% | 5.00% |
6% | 5.66% | 6.00% |
7% | 6.54% | 7.00% |
8% | 7.41% | 8.00% |
9% | 8.26% | 9.00% |
10% | 9.09% | 10.00% |
11% | 9.91% | 11.00% |
12% | 10.71% | 12.00% |
13% | 11.50% | 13.00% |
14% | 12.28% | 14.00% |
15% | 13.04% | 15.00% |
16% | 13.79% | 16.00% |
17% | 14.53% | 17.00% |
18% | 15.25% | 18.00% |
19% | 15.97% | 19.00% |
20% | 16.67% | 20.00% |
50% | 33.33% | 50.00% |
100% | 50.00% | 100.00% |
ポイントは有効期限がある
ポイント還元(ポイント値引き)の場合、商品を購入して得たポイントに有効期限がある場合が多いです。有効期限が過ぎてしまうとポイントが失効してしまいますが、ポイントを使わないまま失効させてしまうと実質的な割引はなく販売価格そのままで購入したことになってしまい、結果的に高い買い物をしたことになってしまいます。ポイントには有効期限があることが注意点です。
ポイントは発行会社が破綻したら使えない
ポイント還元でポイントを発行した会社の経営が破たんした場合、ポイントは利用できなくなる可能性があります。現金で値引きを受けていれば、現金はどこでも利用することができますが、ポイントは使えなくなる可能性があり、結果的に損をする可能性があります。
ポイントは利用に制限がある場合がある
ポイント還元で利用ポイントに制限がなく、1ポイントから使える場合はまだ良いかもしれませんが、100ポイント以上、500ポイント以上じゃないと利用できないといったように一定のポイントが貯まっていないと利用できない場合があります。その場合、制限以下のポイントは全て無駄になってしまうことに注意が必要です。現金には制約はありません。
ポイントは失効を恐れ必要がないものを買ってしまう
ポイントが貯まっているからあるいは、ポイントが失効しそうだからと、それほど必要性が高くないものをかってしまうような場合があります。どうせポイントなんだからいいじゃないかと思ってしまうこともありますが、ポイントとはいえ必要な物を買った場合と比べると、必要でない物を買った場合は無駄遣いになってしまいます。他で節約できたお金を節約できなかったことになります。現金ならいつでも使えるため、焦って購入する必要はありません。
ポイントは使えるお店が限られてしまう
ポイントは使えるお店が限られています。そのため、ポイント還元でポイントが貯まっても、ポイントを自由に使って買い物ができるわけではなく、ポイントが使えるお店でしか買い物に使えません。現金であればどこのお店でも自由に使えますが、ポイントの利用には制約があります。
ポイントはお金に変えられない
現金で値引きを受けた場合には、値引かれた分の現金が手元に残ることになります。逆にポイント還元で値引きを受けた場合には値引き分の現金がなくなる代わりにポイントに変わります。通常、ポイントはお金に変えることが出来ません。ポイント1000円分と現金1000円だとどちらが価値が高いと思いますか?自由な用途に使える現金の方が価値が高いです。
現金値引きの方がお金の時間的価値が得られる
ポイント還元は現金を失う代わりにポイントを得ますが、現金値引きはそのまま値引き分の現金が残ります。理屈上はこの現金は使うまで運用しておくことも可能です。低金利の世界では恩恵を感じられないかもしれませんが、ポイントには通常利息が付かず、現金には利息を付けることができることも忘れてはいけません。
ポイント還元は消費者よりも企業にメリットが多い仕組み
ポイント還元は消費者よりも企業にメリットが多い仕組みです。ポイントを貯めた人が何回も購入に来てくれる、ポイントが失効すればその割引はなかったことになる、実質的な値引き率が低くなるなど、企業側にメリットがあります。
まとめ
- ポイント還元と現金値引きでは、ポイントの還元率と現金での値引率が同じならば、現金値引きの方が有利になります。
- ポイント還元は、実質的な割引率が低くなる、特定のお店でしか使えない、発行企業の破綻リスクがある、お金に変えられないなど不利な部分があります。