これからの事を考えて判断する
記事作成日:2015年5月18日
時間を無駄にしないためには過去のことに囚われないで、これからの事だけを考えて判断するという事があります。いくつかの選択がある時に、既に過ぎてしまって取り返せない過去の事を考えて判断するのではなくて、これからの未来の事を考えて判断しましょうという話です。過去にしたことはやりなおせないので、前を向く必要があります。
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埋没費用(サンクコスト)とは
会計用語で埋没費用、サンクコストという言葉があります。埋没費用(サンクコスト)とは、既に使ってしまっていて、回収できない費用のことです。サンクとは沈んだという意味で、使ってしまって取り戻せないものを考えて判断してはいけないという事です。これからの事だけを考えて判断すべきという事です。
分かりづらいと思いますので、いくつか例を挙げてみます。まずは教科書的なコストの話からです。
ビジネスの例
巨額を投じたプロジェクト
例えば、新たなビジネスのプロジェクトを立ち上げるとします。プロジェクトを始めるために必要なお金は2億円で、プロジェクトが立ち上がれば4億円の売上が回収できると見込まれました。半年後、既にプロジェクトに1億円5千万円を投じていて、あと5千万円で事業は完成します。
しかし、当初予定していた4億円の売り上げはとても期待できないことが分かり、プロジェクトが完成しても1億円しか売上がないことが判明しました。なお、既に投じた資金の大半は準備のための人件費に消えているので今プロジェクトをやめても戻ってきません。
あと5千万円を投じてプロジェクトを完成しますか?それともプロジェクトを中止しますか?
サンクコストでの考え方
「既にお金を使っていてもったいないから続ける」は答えではありません。既に投資してしまって戻って来ないお金はどうやっても戻ってこないので、これからの事だけを考えて判断します。「プロジェクトを続けると5千万円の投資で1億円が回収できてプラスになるからプロジェクトを続ける」が答えです。
勉強の例
長年勉強した努力
例えば、資格試験に考えてみます。難関の国家試験に合格するために5年間勉強を続けてきましたが今年の試験にも落ちてしまいました。また来年試験はあります。続けますか?やめますか?
サンクコストでの考え方
「これまで5年もやってきたんだし、そろそろ受かりそうだから続ける」が答えではありません。これまでの5年は取り戻せないのですから、これから勉強をして受かるかどうか、そして、受かったメリットは試験勉強をやめて別のことをするよりも意義があるか、で判断します。過去のことではなく、これからの事だけを考えて判断します。
恋愛の例
付き合いが長い恋人
例えば、恋愛について考えてみます。過去5年間同棲してきた恋人がいるが、5年間一緒に暮らしてきて合うと感じることよりも、合わないと感じることが増えてきた。何度も話し合って来たけど、やはり合わない気がする。でも、5年間も一緒に過ごしてきたんだし、今更別れるのも・・・。どうでしょうか?
サンクコストでの考え方
「これまでの5年間がもったいないし、今更別れられない、結婚すれば変わるかも!」というのは答えではありません。過去のことは囚われず、今後本当に幸せになれるかだけで考えるべきです。もし、結婚したり何か変わるような兆しがあるのであれば、その可能性に希望を託してもいいですが、これまでの5年がもったいないからではありません。純粋にこれからの事だけ考えてどちらが良いか考えるべきです。
貢いだけど振り向いてくれない好きな人
もう一つ恋愛について考えてみます。何回もデートに誘って高級な食事に誘ったり、高額なプレゼントを渡している好きな相手がいるけど、相手の反応はいまひとつ。友達から聞いた話だと、自分が好きな相手にはどうやら他に狙っている本命の人がいるようだ。さて、どうするべきでしょうか?
サンクコストでの考え方
もちろん「これまで頑張ってきた努力が無駄になるから諦めない」ではありません。これからその人と付き合える可能性があるのか、その人に時間やお金をかけて自分は幸せになれるか、納得できるかだけを考えるべきで、過ぎたことを考慮してはいけません。
過去に拘らず、未来を考える
人間というのは過去の判断に引きずられがちです。これまでの努力などに拘ってしまうあまり、さらに時間やお金を浪費してしまうことがあります。もちろん、苦い経験も人生にとって重要なのですが、あまりに視野が狭くなっていて、冷静に判断できないまま、もったいないことをしている場合もあります。
この意味では、お金も時間も同じですが、過ぎてしまった過去にこだわるのではなく、これからの未来の事だけを考えてどうしたらよいかを考えましょう。そうすると、無駄な時間を過ごしてしまう可能性が小さくなります。