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時間と時刻、時と時間、分と分間、秒と秒間の意味と使い分けや違い

記事作成日:2022年11月10日

時間と時刻、時と時間、分と分間、秒と秒間の意味と使い分けや違い

時間と時刻、時と時間、分と分間、秒と秒間の意味や使い分け方、違いについてです。時刻とは時の一点、時間はある時刻からある時刻までの間の時の量を意味します。通常、時刻を表すには、時、分、秒を使い、時間を表すには、時間、分、秒を使います。小学校の算数では時間や時刻を扱いますが、学習指導要領の記載も踏まえつつ、時間と時刻の言葉の使い方について整理しました。

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「時刻」と「時間」の意味と違いや使い分け

時刻とは、時の流れのある1点を意味し、時間とは、ある時刻から時刻までの長さ・量を意味します。また、時間は時刻を意味することがあります。日常生活では、時刻と時間が厳密に区別されずに使われることが多くあります。

ある特定の時の1点を表す時は「時刻」、時の多い少ないを示す量や特定の時の1点から特定の時の1点までの間の期間を表す時は「時間」ということになります。

「時刻」の表し方

「時刻」は、通常「時」、「分」、「秒」を使って表します。

通常、特定の1時点を指し示す時に「時間」、「分間」、「秒間」を使うことは誤用となります。例えば、「16時30分に待ち合わせ」は正しい表現ですが、「16時間30分」に待ち合わせは違和感がある表現となります。

「時間」という言葉自体は「時刻」の意味を持つ場合がありますが、「時刻」を表す場合には「時間」という言葉は使わないということです。例えば「待ち合わせの時間は12時でいいですか(1点を指すためこの文の「時間」は時刻の意味)」というような場合です。ここで「待ち合わせの時間は12時間でいいですか」とは通常言いません。

「時間」の表し方

時間は、通常「時間」、「分」、「秒」を使って表します。

日常生活では「時(じ)」は時間ではなく時刻の表すために使われますが、「計量法」では時間の単位は「時」、「分」、「秒」としているため「時」を時間の表現に用いることができると考えられますが、日常生活では時間を示す場合は「時」ではなく「時間」を使う方が一般的です。

また、時間を示す表現として「分間」や「秒間」という言い方もありますが、「分」や「秒」は単独で時刻だけでなく時間も表すことができ、実際に多く使われています。

そのため、日常生活では時間(時刻と時刻の間の量)は「時間」、「分」、「秒」を使って表現することが一般的であると考えられます。

「時間」と「時」の違いと使い分け

日常生活では「時間」は時間、「時」は時刻を表す言葉として用いることが無難です。

例えば、「作業を1時間した」は違和感がありませんが、「作業を1時した」だと違和感があります。つまり「時間」は時間を示すことができますが、「時」は時間を示す日常生活の表現としてはなじみが薄いと考えられます。

なお、「計量法」では時間の単位として「時」を挙げていますが、毎時何キロメートルのように単位時間(1時間)当たりの量を示す時に「時間」ではなく「時」として表記され、このような表現とは親和性が高いと考えられます。毎時間何キロメートルとは言わないからです。

「分間」と「分」、「秒間」と「秒」の違いと使い分け

時間の言い方として「分間」、「秒間」という表現を用いることもありますが「分」や「秒」には時間の意味があるため、「分間」や「秒間」を使わなくても時間を表現することができます。

例えば、何かの作業をする時間の言い方として「作業を30分した」、「作業を30分間した」はどちらも違和感がない表現で、「分」でも「分間」でも時間を表すことができます。何分と何分間はどちらも時間を表すことができることになります。

同じく「30秒お待ちください」と「30秒間お待ちください」はどちらも日常生活であり得る表現で、「秒」でも「秒間」でも時間を表すことができると考えられます。何秒と何秒間はどちらも時間を表すことができることになります。

そのため、時間を表す言い方として「分間」、「分」、「秒間」、「秒」のいずれも用いることができます。ただし、「何時間何分間何秒間」というように「時間」と「分間」・「秒間」を同時に使うと違和感が生じます。また「1分間1秒」、「1分1秒間」、「1分間1秒間」などの表現も違和感が生じると考えられます。

更に「30分後」は違和感がありませんが、「30分間後」は違和感がある表現となります。この時の30分は時の一点というよりも、量、時間の経過を示していると考えられますが、「分間」では違和感が生じることになります。

そのため、時間を表す場合、「分」や「秒」を使うのが無難と考えられます。

「時間」と「分間」・「秒間」の違い、「時間」という言葉の特殊性

時間を表す言葉として時間、分、秒だけでなく、分間、秒間を用いることがあります。しかし、「時間」と「分間」・「秒間」という言葉は性質が異なることに注意が必要です。

「時間」は時間の単位として疑いなく成立していると考えられますが、「分間」や「秒間」は時間の単位の言葉として正式に扱われておらず、国語辞書の表現でも「時間」は掲載されていても、「分間」や「秒間」は掲載されておらず、「分間」や「秒間」が単独の言葉として成立していない考え方があると推測されるからです。

「分間」や「秒間」は小学校の学習指導要領の解説でも使われている言葉で、時間を示す言葉としては誤用でないことは確かですが、「時間」とは扱いが違うことも事実です。

例えば、時間の表し方として「1時間」、「1時間30分」のように「何時間」、「何時間何分」という言い方はしますが、「1時間30分間」というように「何時間何分間」という言い方はしません。つまり「時間」と「分間」を同時に使うと違和感があります。

また、先ほどの例のように「作業を30分した」、「作業を30分間した」、「30秒お待ちください」、「30秒間お待ちください」で、「分間」や「秒間」を使わなくても「分」や「秒」でも意味が通じます。

そのため、「時間」は「分間」や「秒間」とは性質が違い、「時間」という言葉は少し特殊だということになります。

なお、「分間」は「分」と「間」(2つの分の間)、「秒間」は「秒」と「間」(2つ秒の間)が結びついたと考えるのが現時点ではもっともらしいと思われます。もちろん、時間が経てば「分間」や「秒間」が「時間」と同じように1つの言葉だと認識されるようになっていく可能性もあります。

公的な文書での時間と時刻についての認識

時間や時刻については小学校で教える内容となっており、小学1年生では時計からの時刻の読み取りなど、小学2年生では時間と時刻の違いと関係、時間の単位(時、分)など、小学3年生では時間の単位の秒などを学びます。

小学校の学習指導要領において、つまり、小学校でどのような教え方をしているのかについて、時間と時刻に関する記載を確認します。

時刻の意味・使い方を推測できる部分

文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」では時刻に関して次のような記載があります(関係部分のみを抜き出して引用)。

  • 「時刻を知りたいとき,時計の長い針が4を示していれば,5,10,15,20 と数えて,20分であることが分かる。」(83ページ)
  • 「8時は過ぎたけれど,まだ1時間目が始まる9時にはなっていない」というように,時刻と日常生活を関連付けて」(94ページ)
  • 「正時(分や秒の端数の付かない時刻)」(167ページ)
  • (出典)文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」より一部を引用

    これら記載は、「時刻が時の流れの1時点であること」、「時刻は時、分、秒で表すこと」が前提になっていると推測されます。

    時間の意味・使い方を推測できる部分

    また、文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」では時間に関して次のような記載があります(関係部分のみを抜き出して引用)。

    • 「量には,基本的な量として,長さ,重さ,時間」(57ページ)
    • 「時間の単位(日,時,分)」(57ページ)
    • 「時間の単位(秒)」(57ページ)
    • 「時間は,時刻のある点からある点までの間隔の大きさを表す量である」(124ページ)
    • 「時刻の起点から終点までの量の大きさを表す時間」(124ページ)

    (出典)文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」より一部を引用

    上記の記述は「時間は時刻と時刻の間の量を表すこと」、「時間の単位として、日、時、分、秒が使えること」、「時間という言葉も時間の単位として量を表すことができること」が前提となっていると考えられます。

    そして次のような記載もあります。

    • 「長針が1回転する時間は1時間であるが,それが60分間である」(124ページ)
    • 「長針が1回転する間の短針の動きから1時間は60分である」(124ページ)
    • 「1分間が60秒」(166ページ)
    • 「10秒や60秒というまとまった時間の中」(166ページ)
    • 「何秒間,目を閉じて片足で立っていられるか,10秒間で平仮名を何文字書けるか,60秒間で何回呼吸するかなどを測定」(167ページ)

    (出典)文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」より一部を引用

    上記の記述は「分や秒は間をつけなくても時間を表す表現として用いることができること」、「分間や秒間が時間を表す表現として用いることができること」が前提になっていると考えられます。

    そして、時間が時刻の意味を持つことについて次のような記載があります。

    • 「各月の平均最高気温などのように時間変化に沿って得られた「時系列データ」」(69ページ)
    • 「時間経過に伴う変化や傾向に」(69ページ)

    (出典)文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」より一部を引用

    ここでの「時間」は時間の量というよりは時点の変化を示しているため、「時刻」の意味が含まれていると考えられます。そのため、「時間という言葉には、時刻の意味が含まれていること」が前提になっていると推測されます。

    また、時間と時刻は明確に区別されない場合があることについても言及しています。

    • 「日常生活の中では,時刻と時間の区別が明確ではない場合もある」(124ページ)

    (出典)文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」より一部を引用

    計量法における「時間」という言葉

    計量法では各種単位について定めていますが、時間については以下の通り、「時」、「分」、「秒」で表すと定めています。

    第2条 この法律において「計量」とは、次に掲げるもの(以下「物象の状態の量」という。)を計ることをいい、「計量単位」とは、計量の基準となるものをいう。

    1 長さ、質量、時間、(以下略)

    第3条 前条第1項第1号に掲げる物象の状態の量のうち別表第1の上欄に掲げるものの計量単位は、同表の下欄に掲げるとおりとし、その定義は、国際度量衡総会の決議その他の計量単位に関する国際的な決定及び慣行に従い、政令で定める。

    別表第1(第3条関係)
    物象の状態の量計量単位
    長さメートル
    質量キログラム グラム トン
    時間秒 分 時
    (以下略)

    (出典)計量法を漢数字を算用数字の表記に直して一部を引用

    「時刻」「時間」「時」「分間」「分」「秒間」「秒」のまとめ

    以上をまとめると、日常生活では時刻(時の一時点)は「時、分、秒」、時間(時刻と時刻の間の量)は「時間、分、秒」を使って表現することが一般的であると考えられます。それぞれの特徴をまとめると次のようになります。

    「時刻」の意味と使い方

    「時刻」とは、時の流れのある特定の1時点を示します。「時刻」は通常、「時」、「分」、「秒」を使って表します。

    「時」の意味と使い方

    「時」とは、時刻、時間という意味です。基本的に「時」は時刻を表現する時に用います。ただし、「計量法」では時間の単位は「時」、「分」、「秒」としており、時間の表現に用いることができると考えられますが、日常生活ではあまり用いません。

    「時間」の意味と使い方

    「時間」とは、ある時刻からある時刻までの時の量や期間を示します。文章中の「時間」という言葉は「時刻」という意味を持つ場合があります。時間は通常、「時間」、「分」、「秒」を使って表します。「時」、「分間」、「秒間」を使って表すことができる場合もあります。

    「分」の意味と使い方

    「分」とは、時間を表す単位です。1分は1時間の60分の1で、60分は1時間です。また、「分」は時刻を表すこともできます。

    「分間」の意味と使い方

    「分間」とは、時間を表す単位で、時間を表す時は「分」と同じように使うことができる場合があります。1分間は1時間の60分の1で、60分間は1時間です。

    「秒」の意味と使い方

    「秒」とは、時間を表す単位です。1秒は1分の60分の1で、60秒は1分です。また、「秒」は時刻を表すこともできます。

    「秒間」の意味と使い方

    「秒間」とは、時間を表す単位で、時間を表す時は「秒」と同じように使うことができる場合があります。1秒間は1分(1分間)の60分の1で、60秒間は1分(1分間)です。

    時間と時刻の使い分け方

    時間の表現を時刻と時間のどちらに使えるかをまとめると次のようになります(当サイトの考え)。

    時間・時刻を表すことができるか
    言葉時刻時間
    時間×
    分間×
    秒間×

    (備考)〇:問題なく使える、注:使える場合と使うと違和感が生じる場合があるため注意が必要、×:通常使わない、言葉による表現や意味の受け止めには人によって幅があり、時の経過や言葉を使う地域によっても変化します。上記はあくまで当サイトによる参考意見とお考え下さい。

    年、年間、月、月間、日、日間、週、週間の意味と違いや使い方

    時刻と時間の関係について時、分、秒を中心に扱いましたが、「年」、「月」、「週」、「日」、と「年間」、「月間」、「週間」、「日間」についてもおおむね時刻と時間の関係を当てはめることができます。

    「年」、「月」、「週」、「日」は時刻(時の1時点)を表しますが、時間(期間)も表すことができます。「年間」、「月間」、「週間」、「日間」は時間(期間)を表します。ただし、時間を表現する時に7日間の週については、「1週旅行をした」という表現よりも「1週間旅行をした」という表現の方が違和感がないように、「週」で時間を表そうとすると違和感が生じる場合があることに注意が必要です。

    まとめ

    • 時刻とは時の流れのある特定の1時点を意味し、時間とはある特定の時刻から別のある特定の時刻までの間の時の量や期間を意味します。また、時間には時刻という意味が含まれることがあります。
    • 通常、時刻を表すには、時、分、秒を使い、時間を表すには、時間、分、秒を使います。ただし、時間を示す時に、時、分間、秒間を使う場合があります。

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    【時間と時刻、時と時間、分と分間、秒と秒間の意味と使い分けや違いの記事は終わりです】

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