借金返済計画を立てる時の手順やコツ
記事作成日:2016年1月8日
借金返済計画を考える場合の手順やコツについて説明しています。借金の返済は毎月の手取り収入から最低でも10%以上、ボーナスからは50%以上が目安で、住宅ローンなど長期の借金以外の場合には5年以内に完済することを目標にしましょう。もし、5年以内に完済するめどが立たないのであれば債務整理を検討した方が良い場合があります。
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借金返済計画を作る手順
自分の借金を把握し毎月の返済額を確認する
借金返済計画を立てる場合には、自分の借金がどれくらいあるのかを把握することが大切です。借金の残高はどれくらいあるのか、借入金利はいくらか、毎月返済額のうち元本相当額と利息相当額はいくらかなどを調べて一覧表にまとめます。
返済可能額は手取り額から推計する
本来は毎月の借金返済可能額は、家計簿をつけたうえで家計の収支を把握して求めますが、家計簿をつける前にどんどん返済した方がいいですし、家計簿に挫折すると借金返済も遠のいてしまうので、家計簿をつけるのを待つ前に、手取り収入から返済可能額を推計します。手取り収入は給与明細を見ればすぐに分かります。給与明細が無ければ通帳の給与の振込額を確認します。
手取り月収から1割以上の返済をする
借金返済計画では毎月どれくらい返済するかが重要になります。最低でも手取り月収の1割、できれば2割以上を返済に回しましょう。この1割や2割というのは貯金をする場合の割合を目安としています。借金返済時は貯金は最低限にしておいて、貯金に回すはずのお金を借金返済に回すからです。
家計が厳しい場合は毎月の返済可能額は手取り収入の1割、少し余裕が作れそうだという場合は2割以上を返済可能額にします。
ちなみに借金返済時の貯金や投資については、「借金返済時は貯金や投資をすべきか」で詳しく説明していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
賞与(ボーナス)があるなら大半を返済に回す
賞与(ボーナス)がもらえる人は大半を借金返済に回すようにしましょう。ボーナスを当てにした生活は厳禁で、ボーナスは初めから当てにできないものと考えるようにすることが重要で、毎月の支出は毎月の収入で賄えるようにするべきです。
賞与は最低でも半分、できればそれ以上を貯金に回るのが望ましいので、借金返済をしている時は貯金をしないかわりに、そのお金を借金返済に回しましょう。
残高や返済額などから借金返済計画を作る
借金の残高や毎月返済額の元本相当額や利息相当額、返済可能額があれば借金の返済計画を作ることができます。毎月返済可能な金額が毎月の返済金額の元本相当額と利息相当額の合計よりも多い場合は、多い部分を繰り上げ返済に回します。
そして、借金の残高÷毎月の元本の返済額で返済までの月数を計算できます。ただし、実際には借入金額が減れば残高スライド制によって毎月の返済額が減る場合がありますし、借入先が減ればその分毎月の返済額が減ることになります。一方で返済が進むと同じ金額を毎月返済していても元本返済部分の方が多くなるため、大体の期間しか計算できないことに注意しましょう。厳密には年ごとあるいは月ごとに詳細な計画を立てて計算する必要がありますが、細かくこだわってもあまり意味がないので簡単な計算で問題ありません。
借金返済計画を作るコツ
借金は5年以内に完済する計画に
借金返済計画を考える場合には、住宅ローン、自動車ローン、リフォームローンや奨学金・教育ローンなど長期間の返済が前提となっているものを除いて5年以内に完済できるような計画を考えましょう。できれば3年以内での返済が望ましいです。
もし、自分の返済可能額から考えて5年以内に返済ができないようなのであれば、債務整理も選択肢の1つとして検討しましょう。長期にわたって借金返済に人生を縛られてしまうのはもったいないからです。5年で完済できないほど債務負担が重いならば、弁護士などの専門家に相談して債務整理を検討すべきでしょう。
複数の借金の場合はそれぞれに完済目標も
クレジットカードのショッピングのリボ払い、キャッシング、カードローンなどで複数の借り入れがある場合には、返済順序やそれぞれの借金の完済時期の目標を立てましょう。借金全部を完済するのが5年先、というととても長そうな気がしますが、最初の1年目でA社を完済して、3年目までにB社を完済、5年目までにC社を完済するというように目標が細かくなると、1つずつ達成していくイメージが沸きやすいからです。
高い金利のものから優先して返す
借金は高い金利のものから返すのが大原則です。同じ元本であれば金利が高いほど利息の支払いが増えるからです。金利が高い借り入れがある場合は、他の借金の毎月の返済額を減らすなど調整して、金利が高い借金の毎月の返済額を多めにして早目に返しましょう。
金利が同じなら残高が少ないものを返済
金利が同じ場合はどの借金から返していくかは好みの問題になります。利息は変わらないからです。返済に利用できるATMが近いなどの利便性が高い借金がある場合には、利便性が低い借金を先に返します。
しかし、特に使い勝手が変わらないのであれば、残高が少ない借金を返します。理由は、借入先が1つ減るということはもちろんですが、返済の管理の手間が減るということ、ある借金を完済することや借入先が減ることは借り換えの審査でプラスとして働く可能性があるからです。
複数の借金があるなら一本化を目指す
複数の借り入れがある場合には、借り換えや既存のカードローンの限度額増額によって一本化を目指します。おまとめローンであれば借入残高を減らす前でも審査次第では借り換えが可能な場合があります。
また、借金返済が進んだ場合には、延滞などが無ければ通常信用力が高まっているため、利用限度額を引き上げることができる場合があります。もし借入金利が低いカードローンなどがある場合で、利用限度額を増額することによって他の借金を一本化できる場合は、利用限度額の増額を申請することを検討します。
無理な計画は続かない
借金をしてしまったことを反省して返済を誓った直後は、返済にとても燃えているのでやや無理がある計画を立ててもその通りに行くことが多いです。最初は我慢できるんです。しかし、早い人は1か月くらい、そうでなくても半年以内には無理が続かなくなるのです。人間我慢ばかりしていられないからです。
もちろん強靭な精神力の持ち主は何年も仙人のような節約生活が可能な人もいますが、ほとんどの人によって余裕がない無理な計画は破綻します。我慢できなくなるだけでなく、無理な返済計画を考えると、ちょっと想定外の出来事が起きるだけで計画が上手くいかなくなります。
借金返済をする時は甘いことも言っていられないのですが、厳し過ぎても続きません。
家計の改善も同時に行う
借金返済計画を実行していく時には家計の改善も同時に行いましょう。家計の収支が改善すれば借金返済が楽になるからです。まず支出を減らせる部分は徹底的に見直して、収入を増やせる場合は収入を増やしましょう。
まとめ
- 借金返済計画を立てる場合には、毎月の返済額は手取り収入の最低10%以上、できれば20%以上を目指しましょう。ボーナスは手取り額から最低でも50%、できれば50%以上を目指しましょう。
- 借金返済計画は5年以内に終わるように考えましょう。無理があるなら債務整理も選択肢の1つとして検討しましょう。