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普通教育とは何か・普通教育の意味と義務教育との違い

記事作成日:2018年2月22日

普通教育とは何か、普通教育の意味と、普通教育と義務教育の違いについてです。普通教育と義務教育は似た言葉ですが、異なる意味を持っています。日本の義務教育は9年間の普通教育を受けることとされていますが、普通教育は高等学校等でも実施されていて、普通教育=義務教育ではありません。普通教育とは社会で自立して生きていくために必要な基礎的、一般的な知識などを得るための教育です。

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普通教育とは・普通教育の意味と内容

普通教育とは、社会で自立して生きるために必要な基礎を培い、国家・社会を形成する人として必要とされる基礎的な資質を養うものであるとされています。要は、社会で生きていくために最低限必要となるような基礎的、一般的な知識・技術を学び、技能を得るための教育です。普通教育とは異なる教育として、高等教育、専門教育、職業教育などが挙げられます。

学校教育法においては普通教育の目標が掲げられていますが、小学校や中学校で普通教育を具体化した授業内容として国語、社会、算数・数学、理科、音楽、図画工作、美術、体育・保健体育、技術、家庭、道徳、外国語、総合的な学習、特別活動などを挙げることができます。

一方で、普通教育に対応する概念である専門教育で学習する教科の例としては、農業、工業、商業、水産、看護、福祉などがあります。

  • 学校教育法第21条 義務教育として行われる普通教育は、教育基本法(平成18年法律第120号)第5条第2項に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
  • 一 学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
  • 二 学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
  • 三 我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
  • 四 家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
  • 五 読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
  • 六 生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
  • 七 生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
  • 八 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
  • 九 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
  • 十 職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。

(出典)学校教育法より数値の表記を一部変更するなどして引用

学校で行われる普通教育の水準

学校で行われる普通教育には、教育段階に応じて教育の水準が定められています。日本では、初等教育を行う小学校等から後期中等教育を行う高等学校等において普通教育が実施されています。

初等教育(国際標準教育分類(ISCED) Level1)である小学校や義務教育学校(前期課程)では、義務教育として基礎的な普通教育を行うと学校教育法に定められています。

前期中等教育(ISCED Level2)である中学校、義務教育学校(後期課程)、中等教育学校(前期課程)では義務教育として普通教育を行うと定められています。後期中等教育(ISCED Level3)である高等学校、中等教育学校(後期課程)では高度な普通教育及び専門教育を行うとされています。

高等学校の普通科では普通教育を中心に教育が行われます。専門高校や高等学校の総合学科では普通教育に加えて、専門教育も実施されます。

また、特別支援学校については、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を行うとされていることから、小学部では小学校に、中学部では中学校に、高等部では高等学校に準じる普通教育等が行われることになります。

学校における普通教育の水準
学校の種類普通教育の水準
小学校
義務教育学校(前期課程)
特別支援学校(小学部)
基礎的な普通教育
中学校
義務教育学校(後期課程)
中等教育学校(前期課程)
特別支援学校(中学部)
普通教育
高等学校
中等教育学校(後期課程)
特別支援学校(高等部)
高度な普通教育
専門教育

(出典)学校教育法を基にfromportal.comの担当者が作成

参考:国際標準教育分類

国際標準教育分類と日本の学校・教育制度との対応関係

  • 学校教育法第29条 小学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すことを目的とする。
  • 学校教育法第45条 中学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施すことを目的とする。
  • 学校教育法第49条の2 義務教育学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して施すことを目的とする。
  • 学校教育法第49条の6第1項 義務教育学校の前期課程における教育は、第49条の2に規定する目的のうち、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すことを実現するために必要な程度において第21条各号に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
  • 学校教育法第49条の6第2項 義務教育学校の後期課程における教育は、第49条の2に規定する目的のうち、前期課程における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施すことを実現するため、第21条各号に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
  • 学校教育法第50条 高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。
  • 学校教育法第63条 中等教育学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、義務教育として行われる普通教育並びに高度な普通教育及び専門教育を一貫して施すことを目的とする。
  • 学校教育法第67条第1項 中等教育学校の前期課程における教育は、第63条に規定する目的のうち、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施すことを実現するため、第21条各号に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
  • 学校教育法第67条第2項 中等教育学校の後期課程における教育は、第63条に規定する目的のうち、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを実現するため、第64条各号に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
  • 学校教育法第72条 特別支援学校は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。以下同じ。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。

(出典)学校教育法より数値の表記を一部変更するなどして引用

義務教育と普通教育は同じ概念ではない

義務教育と普通教育は似た概念であるように思えますが、異なる概念です。義務教育は子の保護者が子に受けさせる義務を負っている教育で、日本では小学校や中学校等で9年間普通教育を受けさせることを指します。

一方で、普通教育は義務教育の期間中だけ実施されるものではなく、高等学校等でも実施され、義務教育=普通教育ではありません。

学校教育法第16条 保護者(中略)は、次条に定めるところにより、子に9年の普通教育を受けさせる義務を負う。

(出典)学校教育法より数値の表記を一部変更するなどして引用

まとめ

  • 普通教育とは社会で自立して生きていくために必要な基礎的、一般的な知識などを得るための教育です。
  • 小学校等で義務教育として基礎的な普通教育が、中学校等で義務教育として普通教育が、高等学校等で高度な普通教育が実施されます。

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【普通教育とは何か・普通教育の意味と義務教育との違いの記事は終わりです】

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