高い金利・利回り・スワップポイントは高いリスクの可能性
記事作成日:2018年8月13日
最終更新日:2022年5月4日
国債や社債などの債券の金利・利回り、FX(外国為替証拠金取引)におけるスワップポイント、各種金融商品の利回りなどは高ければ高いほど多く利益が発生するため嬉しいものですが、金利・利回りやスワップポイントが高いということは、その分だけリスクが高いということを意味している場合があるため注意が必要です。
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債券の金利・利回りの高さは信用力の低さを示すことがある
国債や社債などの債券の金利(利回り)が高いということは、単にインフレ率の高まりや経済の成長見通しの高まりなどから市場の金利が高いという場合もありますが、金利(利回り)が高い分だけその債券の信用力が低いということを意味することがあります。
もし、利回りが高くて魅力的な商品であれば沢山の投資家が買い求めるため、金利(利回り)を下げていっても(価格を上げていっても)売ることができます。しかし、金利が高いということは、その高い金利(利回り)でしか魅力を感じる投資家がいないということになるのです。
高い金利(利回り)でないと買い手となる投資家が現れない、金利(利回り)が低くなると投資家が手を出そうとしなくなるということを意味しているのです。
信用力が低下している国債や社債などの債券は金利(利回り)が高くなります。金利(利回り)が高くなれば、収益性の高さから投資を検討しようという投資家が増えますが、高い金利(利回り)の裏にはリスクが潜んでいるのです。
高いスワップポイントにはカントリーリスクとインフレリスクがある
低金利の通貨を売って、高金利の通貨を買った時は、通貨間の金利差の分だけスワップポイントと呼ばれる利益を得ることができます。逆に高金利の通貨を売って、低金利の通貨を買った時は、金利差の調整分としてスワップポイントの支払いが発生し、損失が生じることがあります。
スワップポイントが高いということは、買いのポジションを持った投資対象通貨の国の金利が高いということを意味します。高いスワップポイントは利益の面から見ると望ましいように見えますが、金利が高いということはリスクが潜んでいることを意味します。
カントリーリスク
金利が極端に高い国には、重大なカントリーリスクが潜んでいることが多いです。例えば、財政状況が望ましくない、対外経常収支の赤字が継続している、政治リスクがあるなどが考えられます。
高い金利にしないと、投資家の資金が流入しないため、やむを得ず高金利としていることがあるのです。そのため、カントリーリスクで懸念されていたことが現実のものとなってしまうと、通貨安となることがあるのです。
インフレリスク
金利とインフレはある程度連動しています。物価が高いと金利は上昇する傾向があり、物価が低いと金利は低下する傾向があります。そのため、高い金利の国は物価上昇率も高い傾向があります。
短期的には、高い金利の国ほど投資資金が流入するため通貨高となる傾向があるのですが、中長期的に見ると相対的に高いインフレ率から通貨の価値が減価して通貨安となることがあります。
そのため、高いスワップポイントを期待して投資をしても、中長期的には高いインフレ率を背景とする通貨価値の下落によって打ち消されてしまうリスクがあるのです。
高い金利(高いスワップポイント)と為替レートの関係
- 短期:高金利国に資金流入で通貨高
- 中長期:高いインフレ率から通貨安
高い金利や利回りに潜むリスクを警戒する
高い金利や利回り、スワップポイントは収益性の面からは魅力的ですが、裏に深刻なリスクが潜んでいないか警戒することが重要です。高い利回りの社債を購入したらデフォルトして償還金やクーポン(利息)を受け取れなくなってしまった、高いスワップポイントの通貨に買いでポジションを持ったら政治の混乱が発生して通貨が大幅に下落してしまった、というような事態も想定されるためです。
ハイリターンであればハイリスクである、つまりハイリスクハイリターンなのであるということを忘れないようにすることが大切です。
まとめ
- 国債や社債などの債券の高い利回り(金利)やFXにおける高いスワップポイントの裏には重大なリスクが潜んでいることがあります。
- 金利が高いということはそれだけ信用力がない、高い金利にしないと投資されないということを意味しているためです。