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日本円が安全資産・安全通貨とされる理由

記事作成日:2021年9月1日

日本円が安全資産・安全通貨とされる理由

通貨は他の通貨との相対的な価値の比較となる為替レートに価格変動リスクがあり、外国通貨はリスク資産となります。日本以外に住んでいる投資家にとっても日本円はリスク資産です。しかし、日本円は安全資産・安全通貨と言われることがあります。なぜかというと、市場で投資家がリスクを回避する姿勢を強めた場合に、資金の逃避先となることがあるからです。この点では「有事のドル買い」と似た側面があります。もちろん、日本円もドルやユーロなどの外国通貨に対して為替変動リスクがあり、為替変動による価格変動は大きいため、安全資産ではありません。

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安全通貨の円買い

通貨・外国為替の取引では、日本円は安全通貨なので投資家のリスク回避姿勢が強まると円が買われるということが言われます。日本では、慢性的な巨額の財政赤字により政府債務残高が積み上がっていて、通貨として必ずしも安全とは言い難い側面はありますが、投資家の不安心理が高まると円高になる傾向があります。

日本円はなぜ安全資産・安全通貨とされるか

日本円が安全資産・安全通貨とされる理由として、経常黒字の累積により対外純資産保有国(いわゆる対外債権国)であること、地政学リスクが小さかったこと、物価上昇率や金利が低水準であること、を挙げることができます。

過去の経常黒字の累積により対外純資産が膨大

日本は輸出による貿易黒字を背景とした経常黒字の累積によって膨大な対外純資産を築いています。日本はいわゆる対外債権国となります。巨額の対外純資産は海外で利息や配当金などでお金を生み出しますが、平常時・危機時のいずれにおいても国内に還流するとドルなどの外貨売り・円買いとなるため円高圧力となります。

特に危機発生時は自国に資産を戻そうとする動きが出る場合があるため、経常黒字によって対外純資産の積み上げがある国は通貨下落が起きづらいため、相対的に安全通貨となっていることが考えられます。

政治的に安定していて地政学リスクが小さかった

日本円が安全資産とされていた理由の1つに政治的に安定していてかつ地政学リスクとはほとんど無縁だったことも挙げられます。日本でも政権交代は過去に何度も起きていますが、議会制民主主義という体制自体がリスクにさらされるようなことは戦後なかったと言えますし、島国であることもあって大規模な地域紛争とも関わりなく長い時間が過ぎました。

そのため、地政学リスクの影響を受けづらい国・通貨であることが安全通貨と認識されるに至った要因の1つになっていると考えられます。ただし、21世紀においては東アジア地域で地政学的リスクが高まる可能性があるため、日本円の安全通貨としての位置づけが変わる可能性もあります。

物価上昇率が低いと通貨高になりやすい

物価と為替レートにも関係性があります。物価の上昇は購買力の低下により通貨価値の下落に結びつきます。そのため、物価上昇率が高い国では通貨価値の下落が、低い国では通貨価値の上昇が発生しやすくなります。

日本では長い間デフレが継続していましたし、なかなか物価が上昇しないため、物価の面から買い安心感があり、いざという時はとりあえず物価が上昇しづらい日本円に逃避しておけば意図せぬ通貨下落を被る可能性が低いと無意識的・経験則的に認識されている可能性があります。この点も日本円が安全通貨としての性質を帯びる一因となっている可能性があります。

参考:物価と為替レート

物価と為替レートの関係

金利が低いと危機時の投資資金の引き上げが少ない

金利が低いことも通貨の安定性に寄与している可能性があります。金利が高い通貨の国には投資資金が流れますが、危機発生時には投資資金を引き上げる動きが発生します。日本は物価上昇率が低く、低金利の時代が長く続いたこともあり、金利に着目した投資資金の流入は少ないとみられ、危機発生時に投資資金の急激な流出が起きづらいと考えられます。

そのため、危機発生時に通貨が不安定になる要因が一つ少なくなり、安全資産・安全通貨と認識される一員になっている可能性があります。

まとめ

  • 日本国外の投資家から見て、価格変動の大きさの観点からは日本円は安全資産ではなくリスク資産です。しかし、日本円は安全資産、安全通貨とされ、投資家がリスク回避的な行動をとる時に資金の逃避先となることがあります。
  • 日本円が安全資産、安全通貨とされる理由には、累積した経常黒字により対外純資産保有国となっていること、地政学リスクが小さかったこと、物価上昇率や金利が低かったことを挙げることができます。

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【日本円が安全資産・安全通貨とされる理由の記事は終わりです】

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