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中央銀行による通貨スワップ協定と金融デリバティブの通貨スワップとの違い

記事作成日:2020年10月12日

通貨スワップという場合、通常は金融デリバティブにおけるスワップ取引の一種である通貨スワップを指します。ただし類似する言葉に中央銀行間による通貨スワップ協定があり、通貨スワップという言葉が中央銀行間の通貨スワップ協定の意味で使われることがあります。

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金融デリバティブの通貨スワップ取引とは

金融デリバティブの通貨スワップ取引とは、スワップ取引の一種で、取引開始時に通貨元本、取引期間中に金利(利息)の交換を行います。取引終了時には取引開始時とは反対の方向に通貨元本を再び交換します。自分以外の取引参加者の信用力を利用して、金利を抑えて外貨を調達するために行われる取引です。詳しくは次の記事をご参照ください。

参考:デリバティブの通貨スワップ

通貨スワップ(クロスカレンシースワップ)とは

中央銀行による通貨スワップ協定とは

中央銀行による通貨スワップ協定とは、通貨危機や短期金融市場の混乱の際に協定相手国の中央銀行間で通貨を融通し合うことを定めた協定です。通常は自国通貨を融通します。通貨スワップ協定による通貨の融通方法には直接通貨を交換し合う方式と、一定期間経過後に買い戻す条件を付けた上で債券を売り売却代金を得る方式があります。

通貨スワップ協定における通貨スワップと為替スワップ

日本銀行の用語では、通貨スワップと為替スワップの表記がありますが、両者とも通貨を交換し、期間中の金利の調整を行うという点が共通です。一方、為替スワップは保有期間中の金利交換を行わず金利調整は終了時の交換レートで調整(開始時のスポットレートに直先スプレッドを加減したフォワードレート)しますが、通貨スワップは保有期間中に金利交換を行います。通貨スワップで交換する金利は通常変動金利となりますが、為替スワップは取引開始時の2国間の金利差を反映して直先スプレッドが決まるため、固定金利を交換していると考えられます。

つまり、通貨交換中に金利(利息)の交換を行えば通貨スワップ、通貨交換中に金利(利息)の交換は行わず終了時の為替レートで金利調整する場合は為替スワップと日本銀行は呼んでいると考えられます。

ここでは、為替スワップに該当する取引も通貨スワップ協定の一部と表現して説明しています。なお、通貨スワップは一般的に1年以上の長期間、為替スワップは1年以内の短期間という考え方もありますが、必ずしも当てはまらない場合があり、通貨交換中の金利の有無で呼び分けていると考えられます。

通貨スワップ協定による通貨危機への対応

中央銀行による通貨スワップ協定は通貨危機や金融危機の介入資金不足への対応として用いられることがあります。例えば、通貨危機に陥って自国通貨が暴落すると輸入物価が上昇したり外貨建て債務の負担が高騰したりするため国内経済に大きな影響が出てしまうため、外国通貨売り・自国通貨買いの為替介入を行い為替レートの防衛を行うことがあります。しかし、外貨準備が潤沢ではない場合、為替介入資金が不足してしまう恐れがあるため、通貨スワップ協定を結ぶことで通貨の融通を受けることがあります。

通貨スワップ協定による短期金融市場の混乱への対応

中央銀行による通貨スワップ協定は短期金融市場の混乱の際にも活用されることがあります。例えば国際的な危機が発生すると、金融市場での米ドル需要が高まることがあります。米国内の短期金融市場でドル需要が高まり短期金融市場の金利が高騰するだけではなく、米国外の短期金融市場にも影響が及ぶことがあります。金融機関の米ドルの持ち高が足りなくなることも考えられます。

そのため、米国外の中央銀行が通貨スワップ協定を通じて米ドルの供給を受けて、米国外の自国で自国金融機関等に米ドル資金を潤沢に供給することで、短期金融市場の動揺を抑えようとすることがあります。

まとめ

  • 通貨スワップといった場合、通常は金融デリバティブ取引の通貨スワップ取引を意味しますが、中央銀行の通貨スワップ協定のことを意味することがあります。
  • 中央銀行の通貨スワップ協定は、通貨危機の発生や短期金融市場の混乱に備えて協定相手国と通貨を融通することについて定めておくものです。

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【中央銀行による通貨スワップ協定と金融デリバティブの通貨スワップとの違いの記事は終わりです】

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