LTM・TTM・NTMとは
記事作成日:2018年4月10日
最終更新日:2021年6月29日
金融・財務(ファイナンス)、会計、決算、資産運用、投資などの分野で企業業績に関して用いられるLTM、TTM、NTMとは何か、意味ついてです。
LTMとは「Last Twelve Months」の頭文字をとったもので「過去12か月」という意味です。
TTMとは「Trailing Twelve Months」の頭文字をとったもので「直近12か月」という意味で、LTMと同じような意味で用いられることが多いです。なお、TTMには為替レートの言葉で「仲値」という意味もあるため注意が必要です。
NTMとは「Next Twelve Months」の頭文字をとったもので「今後12か月」という意味です。EPS(1株あたり利益)などの企業業績が予想なのか実績なのか、いつを基準にしているのかを示す言葉としてよく用いられます。
- LTM:過去12か月
- TTM:直近12か月(または、為替の仲値)
- NTM:今後12か月
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LTMとは「Last Twelve Months」で「過去12か月」の意味
LTMとは「Last Twelve Months」の頭文字をとったもので「過去12か月」の意味となります。企業業績を示す言葉として用いられる場合、企業業績は通常月次ではなく、四半期ごとに公表されるため、四半期ごとに区切った場合の直近の4つの四半期分(12か月分)ということになります。
株価の分析などに用いられるEPS(1株あたり利益)に関して、EPS(LTM)というよう場合は、過去12か月の実績に基づくEPSということになります。
TTMとは「Trailing Twelve Months」で「直近12か月」の意味
金融分野のTTMという言葉には2種類の意味があり、為替レートの「Telegraphic Transfer Middle (rate)」の略で対顧客電信仲値(TTM)という意味を示す場合と、「Trailing Twelve Months」の頭文字をとったもので「直近12か月」の意味を示す場合があります。ここでは、「Trailing Twelve Months」について説明しています。「Telegraphic Transfer Middle (rate)」は下記をご参照ください。
TTMとは「Trailing Twelve Months」の頭文字をとったもので「直近12か月」の意味となりますが、このtrailには通った跡、引きずった跡というような意味があり、通った12か月ということで直近12か月ということになります。TTMはほぼLTMの過去12か月と同じ意味で用いられます。
NTMとは「Next Twelve Months」で「今後12か月」の意味
NTMとは「Next Twelve Months」の頭文字をとったもので「今後12か月」の意味となります。企業業績を示す言葉として用いられる場合、事業年度を四半期ごとに区切った上での今後4四半期分(12か月)という意味を示すことが多いです。
EPS(1株あたり利益)に関して、EPS(NTM)というよう場合は、今後12か月の予想に基づくEPSということになります。この予想とはアナリストや会社による予想ということになります。
LTM、TTM、NTMは過去なのか将来なのか注目
LTMとTTMは過去の実績、NTMは将来の予想の話をしていることになります。株価=EPS(1株当たり利益)×PER(株価収益率)となるため、PER=株価÷EPSとなります。
この時、EPSがLTMあるいはTTMの場合は、過去の実績となるため、PERは実績PERとなります。EPSがNTMの場合には、将来の予想となるため、PERは予想PERとなります。実績PERは過去の利益に基づくものですが、予想PERはあくまで予想された利益に基づくものです。
株価は実績PERではなく将来の予想PERを重視
株式投資においては、実績PERよりも予想PERが重視される傾向があります。将来の業績を見越して株価が期待に基づいて変動するためです。ただし、予想PERはあくまで予想であるため実際の企業業績がそのように動くかどうかは分からず、予想PERの前提となっているEPSが全く違った値となることもあります。
まとめ
- LMTとはLast Twelve Monthsで過去12か月という意味があります。TTMとはTrailing Twelve Monthsで直近12か月という意味があります。LTMとTTMはほぼ同じ意味で用いられます。ただし、TTMには為替レートに関する言葉として仲値という意味の場合もあります。NTMとはNext Twelve Monthsで今後12か月という意味があります。
- LMTとTTMは過去の実績の話をしているのに対して、NTMは将来の予想の話をしていることに注意が必要です。EPSをLTM・TTMとしてPERを計算すれば実績PERとなり、EPSをNTMとして計算すれば予想PERとなります。