がん保険の入院給付金とは
記事作成日:2015年6月28日
最終更新日:2017年5月1日
がん保険の基本的な保障内容となる入院給付金について説明しています。がん保険の入院給付金は医療保険とは異なり日数が通常無制限となっており、がん治療を入院で行うことになった場合には金銭的に心強いと言えます。ただし、がん保険の入院給付金は医療保険の入院給付金と重複して支払われるため、医療保険の入院給付金の加入状況を踏まえて検討することが大切です。
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がんの入院日数に応じて入院給付金を支払い
がん保険の入院給付金とは、がんで入院した場合に、入院した日数×入院給付日額分の入院給付金が支払われます。入院給付金日額は5,000円、10,000円などのタイプがあります。
入院給付金の使い道は
日本では公的医療保険制度が充実しているため、通常は医療費の負担は小さくなっています。入院給付金は、差額ベッド代や生活費への充当、生活費への補てんなどが入院給付金の使い道として考えられますが、がんの場合は、入院給付金で抗がん剤治療の負担に備えたり、先進医療や自由診療の治療費負担に備えるということが考えられます。
しかし、がんでも入院日数の短期化が進んでいますので、入院給付金は多額にはならない可能性が高いです。そのため、がんの治療費への備えは入院給付金を当てにするよりもがん診断給付金や他の特約で賄うか、貯金で貯めるなどの対応を考える必要があります。
がんの入院給付金の支払い日数は無制限
がんの入院給付金の支払い日数は、医療保険と違って無制限であるということが特徴です。医療保険の場合は1入院の入院日数や通算の入院日数に制限がありますが、がん保険では通常ありません。
そのため、入院や退院を繰り返した場合、1入院の入院日数が伸びてしまった場合、などでも入院日数の制限を気にする必要がありません。
日帰り入院も保障するのが基本に
医療保険と同じように最近のがん保険では、0泊1日の日帰り入院から保障するタイプが基本となっています。
0泊1日の日帰り入院とは、入院した日と退院した日が同じで、入院基本料などの支払いがあるものということになります。入院した日と退院した日が同じでも入院基本料などの支払いがない場合は普通の通院となります。
詳しくは日帰り入院と通院の違いでも説明していますので、ご参考にしてください。
入院をする必要がある
一般的に入院とは、医師が入院の必要があると判断して、病気やけがの治療のため病院の入院施設に入ることです。外来で訪れて外来用のベッドで治療や点滴を受けても入院とはなりません。
入院した場合には、医療費を支払った際に病院から受け取る領収書で「入院料等」の欄に数字が記載され、入院基本料などの支払いが発生していることが確認できます。この欄が空欄なら入院したつもりでも、病院側は入院として扱っていないので、入院していないことになります。
治療のための入院である必要がある
入院であっても治療という目的があることが必要です。検査のための入院の場合は対象とならない場合があります。また、がんの診断を受けていても、別の病気で入院した場合には対象とはなりません。
病院や診療所での入院である必要がある
入院給付金の支払い対象となるためには、病院や診療所での入院である必要があります。そのため、病院や診療所のリハビリ施設への入院であれば対象になりますが、病院や診療所ではないリハビリ施設に入所しても入院給付金の支払い対象とはならないことがあるので気を付けましょう。
また、介護療養型医療施設は病院や診療所から除かれている場合があるので注意しましょう。
緩和ケア病棟の入院でも該当する場合がある
入院給付金は、緩和ケア病棟への入院でも多くの場合入院給付金が支払われるようになっています。約款中に明確に緩和ケア病棟を含むと記載してある場合もありますし、病院の緩和ケア病棟への入院であれば、緩和ケアも痛みを和らげる治療の一環として入院給付金の対象となる場合が多いようです。
ただし、保険会社や保険の契約時期によって扱いが変わってきますので、契約中の保険会社の約款を確認し、不明な場合は問い合わせましょう。
がん保険の入院給付金は医療保険分に上乗せ
がん保険の入院給付金が支払われる場合は、同時に医療保険の入院給付金の支払い対象となるはずです。そのため、医療保険の入院給付金に上乗せする形でがんの入院給付金が支払われる形になります。
がん保険の入院給付金の入院給付金日額が医療保険の保障内容も踏まえて考えましょう。医療保険で十分な入院給付金が支払われるのであれば、がん保険での入院給付金の必要性は低下します。
まとめ
- がん保険の入院給付金は日数が無制限となっています。
- 緩和ケア病棟がある病院への入院であれば入院給付金の対象となる場合があります。
- がん保険の入院給付金は医療保険の入院給付金を踏まえて検討しましょう。