医療保険は貯金があれば必要性が低下する
記事作成日:2015年8月2日
最終更新日:2017年5月1日
病気やけがをして入院したり、手術をしたりした時に保険金が支払われる医療保険は一見必要性が高いようにも見えますが、先進医療の保障を除くと入院や手術をしても多額の保険金が支払われるわけではない場合も多く、貯金で準備できる金額になります。貯金が十分にあれば、医療保険は必要ではなくなってくるのです。
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医療保険の保険金はそれほど高額ではない
医療保険では、病気やけがで入院した場合の入院給付金や手術をした場合の手術給付金が保障内容の中心となります。しかし、医療保険の保険金や給付金はそれほど高額とはなっていません。生命保険(死亡保険)の死亡保険金の場合は1,000万円単位の保険金になることが多いのと比較すると相対的に少なくなっています。
入院給付金
入院給付金は日額で保険料が定められていて1日当たり5,000円のものや10,000円の保障が人気となっています。ただし、入院給付金は無制限に支給されるという訳ではなく、上限日数を決めることになっていて60日型か120日型が人気のようで、最近では入院日数の短期化の流れもありさらに短いタイプもあります。
1回の病気やけがでもらえる医療保険の入院給付金は日額5,000円の60日型なら最大30万円となります。120日型なら最大60万円です。日額10,000円であれば60日型は60万円、120日型なら120万円です。
しかし、入院日数短期化の流れの中で長期入院の可能性自体低下しています。また、人生の間は何回か大きな病気をする可能性はありますが、余程でなければ数多くの大病に罹る可能性はそれほど多くないと考えられます。
手術給付金
手術給付金は手術内容によりますが、1回あたりで5万円、10万円、20万円、40万円といったような保障内容となっている場合が大半です。手術給付金ももちろんあればあるに越したことはないのですが、それほど高額になるわけではありません。
先進医療
医療保険で最も問題になるのが先進医療に関する保障です。ほとんどの場合先進医療は特約のみの販売となっており、ほぼ単品の販売がなされていない状況です。保険料が保険事故の発生確率が低くなることから少額になるため、保険の維持管理費用を考えると単品では採算が合わせづらいのでしょう。
先進医療の場合は、先進医療とはで費用について詳しく説明していますが、実施件数が多いがんの治療である陽子線治療や重粒子線治療ではおよそ300万程度の費用が必要となっています。
そのため、先進医療の可能性まで考えると先進医療特約のため、最小限の医療保険の契約にして先進医療特約を付けるという考えにもなります。それでも貯金が出来てくれば思い切って先進医療の保障も外せるようになる場合があります。
ただし、世の中には確率的な問題で運悪く高額な先進医療の負担が必要になる場合もありますので、難しい判断になります。
公的な医療保険(健康保険)には高額療養費がある
先進医療は自己負担となってしまいますが、通常の病気やけがの治療や入院の場合は公的な医療保険(健康保険)での治療が可能であり、高額療養費の制度があることから、毎月の医療費は一定金額以上に膨らまないようになっています。
もちろん、日本の財政危機で将来の公的医療保険(健康保険)の保障内容が縮小され自己負担率が引き上げられたり、高額療養費の制度が縮小したりする可能性があることは注意しなければいけません。
貯金があれば医療保険の必要性は低下する
医療保険はとりあえず100万円~200万円の貯金があれば必要性が低下することになります。もちろん貯金は様々な突発事態に備えるためのもので100万円~200万円ではまだ足りず、300万円、500万円と増やしていくことが望ましいです。貯金が増えるほど医療保険の必要性は低下していきます。
医療保険の保険料もそれなりに高く、入院給付金の日額や保障の上限日数が伸びるほど保険料が高くなるため、保険料を支払うよりも貯金を早く貯めた方が良い場合もあります。
まとめ
- 医療保険は保険事故が発生してももらえる保険金・給付金はそれほど高額とはなりません。
- 貯金が十分あれば医療保険の保障内容を自分で準備することができ保険の必要性は低下します。
- 通常の病気やけがの場合、公的医療保険の高額療養費があるため、医療費が膨らみづらくなっています。