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戸籍の筆頭者と住民票の世帯主の違い

記事作成日:2015年11月5日
最終更新日:2018年12月7日

戸籍の筆頭者と住民票の世帯主は似ていますが、同じものでは無いことに注意しましょう。同一人物ではないこともあります。戸籍の筆頭者は基本的に変わらない一方で住民票の世帯主は変化します。また、戸籍の筆頭者は日常生活では実質的な意味は薄い一方で、戸籍の並びが一番住民票の世帯主は市区町村の世帯に対する連絡先になるなどの違いがあります。

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戸籍とは

戸籍とは氏名や生年月日、親子関係、婚姻関係、養子縁組関係などを証明するための制度で、最大で親と子の2世代の単位で作成されます。子が婚姻した場合は新たに戸籍が作られます。戸籍法では戸籍について第6条で戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。とされています。

なお、戸籍を置く場所を本籍または本籍地と呼びますが、本籍地は住んでいる場所(住所地)と関係している必要はありません。

参考:戸籍の本籍地は自由に決められる

戸籍の本籍(本籍地)とは何か・本籍はどこに置くか自由に決められる

戸籍の筆頭者とは

戸籍の筆頭者とは戸籍の最初に書かれている人の事です。戸籍は親子2世代で構成されるので親のどちらかが筆頭者になっています。婚姻している人の場合は、婚姻時に名乗ることを選択した氏の人が筆頭者になります。婚姻によって氏を改めなかった人です。佐藤さんと鈴木さんが結婚して佐藤さんを名乗るのであれば元々佐藤さんだった人が筆頭者になります。男女の性別は関係ありません。

戸籍法上では戸籍の氏名の記載の順序について第14条第1項で1番目が夫婦が、夫の氏を称するときは夫、妻の氏を称するときは妻、2番目が配偶者、3番目がとされています。

戸籍法第14条第1項 氏名を記載するには、左の順序による。

  • 第一 夫婦が、夫の氏を称するときは夫、妻の氏を称するときは妻
  • 第二 配偶者
  • 第三 子

戸籍法第14条第2項 子の間では、出生の前後による。

(出典)戸籍法より引用

戸籍の筆頭者は死亡しても変わらない

戸籍の筆頭者は戸籍の筆頭者が死亡した場合でも変更されません。戸籍の筆頭者が死亡すると筆頭者が変わると考えられている場合もあるようですが、変わらないので注意しましょう。

戸籍の筆頭者は基本的に変更できない

戸籍の筆頭者は基本的に変更することができません。もし筆頭者を変えたいのであれば、婚姻中の場合は離婚して、再度結婚し筆頭者になろうとしている人の氏を名乗ることが必要となります。新たに作り直すのであれば筆頭者を変更することはできますが、手間がかかりますし離婚と再婚の間に日数が空いた場合で相続などが発生すると相続人の範囲が変化するため注意が必要です。

戸籍の筆頭者はどのような場面で重要か

戸籍に筆頭者が重要となるのは戸籍謄本等の戸籍を取得する場合です。戸籍は筆頭者と本籍地で特定することになるため、筆頭者が誰であるか分からないと戸籍を特定できなくなります。つまり戸籍の筆頭者は戸籍を特定するために必要な物ということになります。

住民票の世帯とは

住民票の世帯とは総務省の住民基本台帳事務処理要領世帯とは、居住と生計をともにする社会生活上の単位である。としています。世帯は同一の住居で同一生計の2つの要件が必要となっています。

親族でなくても同一世帯になれる

世帯は親族であるかはどうかは求められていないため、同じ住居に住んでいて生計が同じであれば血のつながりがない親族でない人であっても同一世帯になることになります。

同居でも別生計なら別世帯

同じ住居に住んでいても生計が違えば別世帯なので同じ住居に親子の2世代が住んでいて親世代と子が別々に収入があって生計が分かれていれば別世帯になります。

別居なら同一生計でも別世帯

仕送りによって生計を維持していても別の住居に住んでいる親の単身赴任や子供の進学での1人暮らしの場合は世帯が分かれることになります。

住民票の世帯主とは

住民票の世帯とは総務省の住民基本台帳事務処理要領で次のように定められていて、生計の維持、世帯の代表として社会通念上妥当という2つの要件があります。

世帯を構成する者のうちで、その世帯を主宰する者が世帯主である。

「その世帯を主宰する者」とは、「主として世帯の生計を維持する者であって、その世帯を代表する者として社会通念上妥当とみとめられる者」と解する。

(出典)住民基本台帳事務処理要領より引用

住民票の世帯主は変更される

住民票の世帯は同一住居と同一生計が必要で、世帯主は生計の維持と世帯の代表ということが必要ですが、時間の経過に伴って世帯の範囲や世帯主は変わっていくことになります。そのため、住民票の世帯主は変更されることがあります。

例えば、世帯主が死亡した場合、退職・定年などによって生計を維持していて世帯の代表となる人が変わった場合、世帯主が他の市区町村に転出するあるいは同一市区町村内に転居することによって住居が別になった場合、世帯の人が増えたり減ったり(合併や分離を含む)して構成員が変わる場合などにより世帯主が変更となります。

住民票の世帯主はどのような場面で重要か

住民票の世帯主は戸籍の筆頭者と同様に住民票を特定するために用いられます。世帯に連絡をする必要がある場合には通常は世帯主に宛てて連絡が行われますが、世帯主は市区町村からの連絡先として用いられます。

また、世帯主には国民健康保険に関する事項の届出義務や保険料や保険税の納付義務が課せられており、実質的な意味があります。

国民健康保険法第9条第1項 被保険者の属する世帯の世帯主(以下単に「世帯主」という。)は、厚生労働省令の定めるところにより、その世帯に属する被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項その他必要な事項を市町村に届け出なければならない。

国民健康保険法第9条第2項 世帯主は、市町村に対し、その世帯に属するすべての被保険者に係る被保険者証の交付を求めることができる。

国民健康保険法第9条第3項 市町村は、保険料(地方税法 (昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を含む。(中略))を滞納している世帯主(中略)が、当該保険料の納期限から厚生労働省令で定める期間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、当該世帯主に対し被保険者証の返還を求めるものとする。

地方税法第703条の4 国民健康保険を行う市町村(中略)は、国民健康保険に要する費用(中略)に充てるため、国民健康保険の被保険者である世帯主に対し、国民健康保険税を課することができる。

(出典)国民健康保険法地方税法より引用

戸籍の筆頭者と住民票の世帯主の違い

戸籍の筆頭者と住民票の世帯主は同一人物ではない

戸籍の筆頭者と住民票の世帯主は同じではありません。戸籍の筆頭者は夫婦の場合は結婚時に氏を変えなかった側がなっていますが、住民票の世帯主は生計を維持し世帯を代表する人がなるため、同じではありません。また、戸籍と世帯の範囲が異なっていることからも戸籍の筆頭者と住民票の世帯主が同じにならない場合があります。

変わるか変わらないか

戸籍の筆頭者は戸籍の最初に記載される人で親子の場合は親で結婚の時に氏を変えなかった人です。戸籍の筆頭者は戸籍を特定するために重要です。戸籍の筆頭者が死亡しても戸籍の筆頭者は変わりません。

一方で、住民票の世帯主は住居や生計の状況などによって変わる可能性があります。

形式的なものが実際に意味があるか

戸籍の筆頭者も住民票の世帯主も戸籍や住民票を特定するために用いられます。しかし、住民票の世帯主は市区町村からの連絡先として用いられるほか、国民健康保険の保険料や保険税の納付義務が課せられるなど生活上意味がある場合があります。

まとめ

  • 戸籍の筆頭者と住民票の世帯主で同じなのは戸籍や住民票を特製する役割があることです。
  • 戸籍の筆頭者と住民票の世帯主の違いは、戸籍の筆頭者は変化しない一方で住民票の世帯主は変化すること、戸籍の筆頭者は生活をしていく上で実質的な意味合いがない一方で、住民票の世帯主は市区町村からの連絡の対象となるなど生活をしていく上で意味があることです。

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【戸籍の筆頭者と住民票の世帯主の違いの記事は終わりです】

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