ベーシススワップ、通貨スワップ、通貨ベーシススワップの違い
記事作成日:2020年10月16日
最終更新日:2021年9月29日
金融デリバティブのスワップ取引のうち、ベーシススワップ、通貨スワップ、通貨ベーシススワップの違いについてです。これらの言葉は似た言葉で、3つの言葉全てが同じ意味で使われていることもあれば、違う意味で使われていることもあり、非常に紛らわしいため注意が必要です。
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ベーシススワップとは
ベーシススワップとは、異なるお金の流れを交換するスワップ取引の一種で、変動金利同士を交換する金利スワップ取引です。ベーシススワップには同じ通貨同士で変動金利を交換するものと、異なる通貨同士で変動金利を交換するものがあります。
同じ通貨で変動金利を交換する場合、期間が違うもの(3か月物金利と6か月物金利)や市場が違うものなどを交換します。
異なる通貨で変動金利を交換する場合、通貨ベーシススワップと呼び、変動金利だけではなく、通貨の元本も取引開始時と終了時に交換します。
ベーシススワップ:変動金利を交換
- 同じ通貨同士:期間が違うもの、市場が違うものなどを交換
- 異なる通貨同士:金利だけでなく元本も交換、通貨ベーシススワップ
通貨スワップとは
通貨スワップとは、スワップ取引の一種で、通貨の元本と金利を交換するスワップ取引です。取引開始時に、お互いに通貨の元本を交換します。取引期間中は取引開始時に受け取った通貨の金利を取引相手と交換します。この金利は変動金利の場合もありますが、固定金利の場合もあります。取引終了時には金利交換と、取引開始時とは反対方向の元本の交換を行います。
通貨スワップのうち、取引期間中に変動金利同士を交換する場合は、通貨ベーシススワップになります。
通貨スワップ:異なる通貨同士で元本と金利を交換
- 交換する金利が固定金利:通貨スワップ
- 交換する金利が変動金利:通貨ベーシススワップ
通貨ベーシススワップとは
通貨ベーシススワップとは、スワップ取引の一種で、異なる通貨間で元本と変動金利を交換するスワップ取引です。ベーシススワップでもあり、通貨スワップでもあるものが通貨ベーシススワップです。
取引開始時にお互いに通貨の元本を交換し、取引期間中は受け取った通貨の変動金利を相手と交換します。取引終了時には金利交換と、取引開始時とは反対方向の元本の交換を行います。
通貨ベーシススワップ(クロスカレンシーベーシススワップ)とは
ベーシススワップ、通貨スワップ、通貨ベーシススワップの違い
ベーシススワップ、通貨スワップ、通貨ベーシススワップの違いを整理すると次のようになります。厳密にはベーシススワップ、通貨スワップ、通貨ベーシススワップは異なるものなのですが、実際には通貨ベーシススワップがよく話題となるために、ベーシススワップも、通貨スワップも、特に断りなく通貨ベーシススワップを意味していることがあります。
- ベーシススワップ:変動金利同士を交換
- 通貨スワップ:異なる通貨間で元本と金利を交換
- 通貨ベーシススワップ:異なる通貨間で元本と変動金利を交換
まとめ
- ベーシススワップは変動金利同士を交換するスワップ、通貨スワップは異なる通貨間で元本と金利を交換するスワップ、通貨ベーシススワップは異なる通貨間で元本と変動金利を交換するスワップで、厳密には指す意味が異なります。
- しかし、実際にはベーシススワップ、通貨スワップ、通貨ベーシススワップのどの言葉も、通貨ベーシススワップの意味を指す言葉として用いられることが多く、厳密に使い分けられていないことがあります。